女優の卵たちが繰り広げる本気のプロレス アクトレスガールズってなんだ?

王者としての風格が漂う高瀬(左)【写真提供:アクトレスガールズ/山川隆一】
王者としての風格が漂う高瀬(左)【写真提供:アクトレスガールズ/山川隆一】

「ベルトが流出したら責任は取る!」王者としての自信をみなぎらせる高瀬

「抜けた方が成長すると思われたくない」という前述のコメントは、もしかしたら安納にも向けられていたのかもしれない。「近くで見てて、アクトで必死に頑張ってる子たちがすごくたくさんいる。自分もそのひとりですし、だからこのアクトの中で成長しているんだというところを見せたい気持ちがすごくありました」とコメントした高瀬。昨年12月12日新木場ではタッグマッチながら尾崎に敗れている。リベンジを許した尾崎は「(高瀬の)新人時代、過去に一度だけシングルをしたことがあったんですけど、当時と比べて、よりいっそう強くなっていました。チャンピオンの座を背負って団体を引っ張っていかなきゃいけないみゆきちゃんには守るものがある。そういう人の強さを感じましたね」と、後輩の成長を目の当たりにしたようだ。

 勝った高瀬は今後の防衛戦について、「団体の内外関係なく、強い選手とどんどんどんどん、やっていきたいと思います。(ベルトが団体外に)流出したらちゃんと責任は取りますから!」と頼もしい発言。だからといって即エースとはならないかもしれない。確かに王者は高瀬だが、このまま彼女が独走しては活性化につながらない。常識的に考えれば次期挑戦者はすでに権利を保持する川畑梨瑚(かわはた・りこ)となるはずだ。だが、王者はあえて川畑を拒否。昨年12月30日新木場では「挑戦権は挑戦者決定トーナメント優勝の“賞品”じゃない」とさらなる奮起を促した。いまひとつ突き抜けない川畑の「成長待ち」だと高瀬は言う。この日も、リング下で見つめるだけの川畑に「オマエに、この尾崎選手を超える試合ができるか? できねえだろ。気持ちだけでも超えることができるのか? まだマイクを取ることもできへん。口ですら闘えないヤツと私は防衛戦をする気はない! アイツが本気になるまで、挑戦権持ってるとか関係ない。まだまだと思うヤツとはやりません」と発破をかけた。

 アクトレスガールズとは、「女優だから」という偏見との闘いでもある。確かに王者は高瀬だが、次期エース候補として飛び出してきそうな選手は何人もいる。有田ひめか、本間多恵、角田奈穂、青野未来、関口翔……。選手たちの成長を同時進行で体感するのも女子プロ観戦の醍醐味だ。

 アクトレスガールズは「Beginning(ビギニング)」と「Color’s(カラーズ)」の2団体制で、2団体合同による興行「ACT(アクト)」の3興行体制。このシステムもまた、彼女たちの競争心を煽るはず。だからこそ、いまのアクトレスガールズは“買い”なのだ。

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