東京・上野大歓楽街は大混雑、都の「徹底点検」はザル状態? 宣言解除初週末を歩く

店の感染対策を示す虹のステッカー【写真:ENCOUNT編集部】
店の感染対策を示す虹のステッカー【写真:ENCOUNT編集部】

大衆居酒屋は客でぎゅうぎゅう詰め。午後9時以降も乾杯

 ガード下付近に戻ると、ある大衆居酒屋の店頭に「徹底点検済」のステッカーが張られていた。しかし、カウンターには客がひしめき合い、テーブルも1メートル以上の間隔を取るどころかギリギリまで客を詰め込んでおりソーシャルディスタンス(社会的距離)などまったく念頭にないようだ。しかも、酒類の提供は午後8時、営業は同9時までとすることを都から要請されているはずなのに同9時を過ぎても若者客が乾杯を繰り返していた。近くの別の居酒屋は「徹底点検済」のステッカーを掲示しており午後9時過ぎには店の看板の電灯を消していたが、店内をのぞくと客が酒盛りを続けていた。「徹底点検済」は有名無実と化しているのだ。

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 午後6時30分から約3時間かけてこの界隈の飲食店を見て回ったが、特に大衆居酒屋の場合、「徹底点検済」のステッカーがあってもほとんどの客はマスクを着用しておらず、最低1メートル以上の間隔確保も実行されていない。「徹底点検済」の名がむなしい。もはやザル状態と言っていい。この界隈のパチンコ店をのぞくと約50人ほどの客が静かにパチンコ台に向かっていた。ほぼ全員がマスクを着用しており、まるで別世界に入り込んだようだった。

時短営業は果たして有効なのか?

 上野の大歓楽街では、今年2月に営業時間短縮の要請に応じない飲食店事業者への命令や罰則が可能となる改正新型コロナウイルス特別措置法が施行された後も、深夜まで営業を続ける居酒屋が相次ぎ路上は若者でごった返していた。いくら行政が時短営業や飲食時以外のマスク着用を繰り返し要請しても実効性は薄いというのが現実だ。

 対策はないものか。「酒類の提供を認可する以上、酔ってマスクを着用しない客が続出するのは当然で、それは誰もが分かっていることです。マスク着用をお願いする手もありますが、客席を間引きしたり、時間ごとの入店者数を制限して客同士の社会的距離を物理的に担保したりする方がよほど有効なのではないでしょうか。時短営業を無理に要請するから店側は売り上げを確保しようとかえって客をぎゅうぎゅうに詰め込んでしまう。都は『徹底点検』のやり方を見直すべきです」(都庁関係者)

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