金子恵美、リーダーに求められるのは「言葉の説得力」 菅義偉氏を“反面教師”の考え方

日本の新首相への就任が決まった岸田文雄氏【写真:AP】
日本の新首相への就任が決まった岸田文雄氏【写真:AP】

「岸田さんがおっしゃる『聞く力』『話を聞く』ことこそが、いまの政治に必要なこと」

 今後、直近に迫る衆院選をにらみながらの政権運営は、課題山積だ。金子氏はまずコロナ対策を挙げ、「後手に回り、場当たり的な部分もあった菅政権の失敗からの回復」が求められると指摘。長引く不況からの脱却については、岸田氏が掲げる中間層への支援と格差是正に着目し、「経済政策は実効性とスピードが必要」と注文を付けた。中でも、約4年半にわたって外務大臣を務めた岸田氏だからこその外交面での期待は大きいといい、「ご本人の経験を駆使して、対米・対中関係、そしてロシアに対しては北方領土交渉での前向きな成果を期待したい」と述べた。

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 そして、金子氏が新首相に求められる大きなポイントとして強調するのが、「言葉の説得力」だ。「政治家の資質は、言葉の力にある。言葉に説得力を持たせ、重みを出せるかが重要」と解説する。菅氏はこの面で記者会見や演説の場において、説得力に欠けたという点は否めない。「菅さんは努力をされていたけれども、どうしても官僚が用意したペーパーを読んでしまっているという印象を拭えず、国民の心が離れていくことにつながった」と金子氏。国民に伝わるように、自分の言葉で話す――。言わば、菅氏を「反面教師」とする姿勢も考え方の一つであるとのことだ。

「欧米では、スピーチの際の話し方、ジェスチャー、演出について、政治家はプロの指導を受ける人もいる。今回、岸田さんは出馬会見に向けて、側近の若手議員たちのアドバイスを聞き入れながら、話し方やジェスチャーを磨く練習を重ねたと聞いた」という。今後、支持率を見据えながらの「伝える力」の重要度が増していきそうだ。

 金子氏は興味深い観点を示した。総裁選に出馬した高市氏だ。高市氏の総務大臣時代、金子氏は総務大臣政務官を務めた経験がある。“直属の上司と部下”の関係だ。「高市さんはもともと政策通でいらっしゃるのですが、国会答弁では官僚のペーパーを用意しつつも、それをそのまま読まずに、自分の言葉で話すのです。それでいて、用意されたペーパーの趣旨を外さない」と明かし、「総裁選では、自分の言葉で話すという面では、高市さんらしさがよく出ていた」と評価した。

 最後に金子氏は、岸田総理にリクエスト。「コロナ対策では、苦しむ人たちに耳を傾け、足元の暮らしに政治が手を差し伸べること。それに、日本のプレゼンス(存在感)を取り戻し、世界に向けてより高めることも重要。そして、岸田さんがおっしゃる『聞く力』『話を聞く』ことこそが、いまの政治に必要なこと。より多くの人の考えや状況を聞き、課題解決を進めていく。岸田さんらしい政治に期待している」と語った。

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