【週末は女子プロレス♯18】夢はAKB48から一転プロレス入り 20歳の梅咲遥が挑むディアナ10周年の大一番

井上京子率いるワールド女子プロレス・ディアナは、今年が旗揚げ10周年だ。10月10日には東京・後楽園ホールにて記念大会が開催されるが、女子プロ界のレジェンドが闊歩(かっぽ)するディアナにおいてメインに抜てきされたのが、キャリア2年半の梅咲遥(うめさき・はるか)である。現在、世界最大のプロレス団体WWEで活躍するSARRAY(サレイ。Sareee=サリー)を輩出したディアナの未来を担うのが、梅咲と言っても過言ではないだろう。旗揚げから10年で20歳の梅咲。10年前は、もちろん小学生だ。

20歳の梅咲遥【写真:新井宏】
20歳の梅咲遥【写真:新井宏】

キャリア2年半 若き新星にかかる大きな期待

 井上京子率いるワールド女子プロレス・ディアナは、今年が旗揚げ10周年だ。10月10日には東京・後楽園ホールにて記念大会が開催されるが、女子プロ界のレジェンドが闊歩(かっぽ)するディアナにおいてメインに抜てきされたのが、キャリア2年半の梅咲遥(うめさき・はるか)である。現在、世界最大のプロレス団体WWEで活躍するSARRAY(サレイ。Sareee=サリー)を輩出したディアナの未来を担うのが、梅咲と言っても過言ではないだろう。旗揚げから10年で20歳の梅咲。10年前は、もちろん小学生だ。

「小さいころから親に連れられて、会場でプロレスは見ていました。でも、当時は連れてこられていただけで、私自身は興味なかったんです」

 子どものころからスポーツが好きで、習い事で乗馬もしていたという。が、もっとも興味があったのはAKB48だった。大きくなったらAKBになりたいとさえ思っていた。小学生の彼女がなりたいのは、アイドル以上にAKBそのものだったのだ。が、次第にプロレスへの興味も沸きはじめ、将来はプロレスラーになりたいと考えるようにもなった。

 やがて梅咲は、地元・茨城県牛久市のご当地アイドルとして活動する機会を得る。ノノキス、R6団(ろっこくだん)というグループでライブなどを行っていたという。

 プロレスラーになりたいとの漠然とした希望が決意に変わったのは、ある試合に衝撃を受けたからだ。それは、2014年12・23川崎市体育館で行われた京子VS堀田祐美子のノーロープ有刺鉄線電流爆破デスマッチ。当時、女子レスラー同士による電流爆破はまだ異例で、女子プロ団体対抗戦をはじめ数々の激闘の舞台となった同体育館のプロレスファイナル興行でもあった。これを見た梅咲は、「自分も元気や勇気を与えられるレスラーになりたい!」と一念発起。アイドル活動の傍ら、さくらえみ主宰の「誰でも女子プロレス」をはじめ、いくつかのプロレス教室で基礎を体験、18年11月のオーディションで希望するディアナへ入門を果たした。ディアナに入ったのは、京子の試合に衝撃を受けたことはもちろん、Sareeeからの誘いもあったからだ。

「あの頃はセンダイガールズが好きだったんですけど、ディアナの会場にもよく行っていたので、売店とかで顔を覚えられて、Sareeeさんから『やってみない?』と声を掛けられていたんですね。それから気にかけてもらえるようになって、自分もディアナでプロレスがしたいと思うようになったんです」

 翌年2月、梅咲は観客の前で公開形式によるプロテストを受けた。一通りメニューをこなし、誰もが合格と信じて疑わないでいたところ、試験官の京子、ジャガー横田、伊藤薫が協議の結果、まさかの不合格を言い渡した。「いつもの彼女よりよくなかった」というのがその理由。プロレスとは観客に囲まれた状態で闘う、ファンありきの競技である。人前で最高のパフォーマンスを発揮できてこそプロレスラー。旗揚げ以来「本物のプロレス」を追求してきた京子たちの思いにブレはなかった。

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