元「さんみゅ~」リーダー・西園みすずがカメラの腕を磨く日々 織田哲郎に採用された一枚の写真

アイドルグループ「さんみゅ~」を昨年卒業した元リーダーの西園みすずが、10月5日から都内で写真展「女優が撮る女優展」にカメラマンとして参加する。念願だった女優として舞台に立ったが、長引くコロナ禍で思うように活動ができない。そんな中、持前の貪欲さで好きなカメラの腕を磨き、同じく女優の山内優花とカメラマンとして7人の女優を撮影し、自ら展示まで行うという写真展を開催する。さらにミュージシャンの織田哲郎のツアー用のチラシに西園の写真が採用されるといううれしい知らせも舞い込んできた。ピンチをチャンスに変えた元アイドルの原動力は「悪あがき」だという。

見せたことのない西園みすずの新たな一面が写真展で開く【写真:(C)女優が撮る女優展】
見せたことのない西園みすずの新たな一面が写真展で開く【写真:(C)女優が撮る女優展】

カメラマンとモデルで参加した写真展「女優が撮る女優展」

 アイドルグループ「さんみゅ~」を昨年卒業した元リーダーの西園みすずが、10月5日から都内で写真展「女優が撮る女優展」にカメラマンとして参加する。念願だった女優として舞台に立ったが、長引くコロナ禍で思うように活動ができない。そんな中、持前の貪欲さで好きなカメラの腕を磨き、同じく女優の山内優花とカメラマンとして7人の女優を撮影し、自ら展示まで行うという写真展を開催する。さらにミュージシャンの織田哲郎のツアー用のチラシに西園の写真が採用されるといううれしい知らせも舞い込んできた。ピンチをチャンスに変えた元アイドルの原動力は「悪あがき」だという。(インタビュー・文=福嶋剛)

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「もともと『役者100人展』という写真展に被写体として参加したとき、私が写真を撮っていることをスタッフさんが知って、今回の企画を提案いただいたことがきっかけでした」

 写真展「女優が撮る女優展」の被写体は西園と同じくアイドルグループの元メンバー、声優、モデル出身の女優7人。シチュエーションから衣装、メイク、写真の編集やプリント作業に至るまですべてを任され、7人のさまざまな表情を切り取った。また、被写体の1人でもある女優の山内がカメラマンとなり西園を撮影。その写真も展示される。

「撮影に入る前にモデルさんとお話をして、その人のすてきなところを探すところから始めてみました。話してみた印象で、例えばすごく芯の強そうな人だったら、格好良い感じで撮ってみようとか。だったらこんな場所、こんなシチュエーションで、色合いはこんな感じでという具合に組み立てていきました。私にとっては初めての体験も多かったのですが、4月に出したソロ写真集でカメラマンさんと共同で制作した経験が生かされました」

“純白アイドル”がキャッチフレーズだったアイドルグループ「さんみゅ~」のデビュー当時(2013年)を振り返りながら、リーダーとして常にメンバーとコミュニケーションを取っていた経験が、いま生かされていると明かした。

「グループのリーダーに選ばれた理由は今でも分からないです(笑)。でもスタッフさんに臆することなく自分たちの意見をはっきりと伝える役割で、メンバーがどんな悩みを抱えているのか意見を聞きながら活動していたと思っています。リーダーをやった分、たくさんの経験を積ませてもらえましたし、迷ったら何でもチャレンジしてみる大切さはそこで学びました」

 7年間の活動の末、それぞれがソロ活動に専念するため20年3月1日をもって「さんみゅ~」のメンバー全員が卒業した。新型コロナウイルスの感染拡大で、これまで支えてくれたファンへのあいさつもちゃんとできないまま、西園は女優業に専念。さらに緊急事態宣言下で舞台も相次いで延期、中止となり、長い巣ごもり生活が続いた。

「本当はファンの皆さんの前で感謝を込めたイベントをやりたかったのですが、コロナ禍でお誕生日イベントもできなくなって。でも何かしなきゃと思って、自分ができることを探していたんです。そこで挑戦したのがカメラと油絵でした。油絵は道具を一式そろえて気合いを入れて始めてみたものの全然ダメで(笑)。お恥ずかしいのですが、3か月ぐらいしか続きませんでした。カメラは、さんみゅ~時代からメンバーを撮っていたので『よし!こっちを頑張ろう!』と写真と向き合う時間が増えました。そんな中、『自分の写真集を作りたい!』という気持ちが膨らんでいったんです」

 カメラマンのオファーから、メイク、衣装、デザインに至るまで撮影以外のすべてを自ら手掛け、彼女の思いが詰まった初めてのソロ写真集を作ろうと決意した。

「実はアイドル時代から撮られる方は苦手だったんです。さんみゅ~のころって、毎週のように撮影があるのに、うまく表情を作れなくて。『カメラの前でニコニコしている私は本当に笑えているのだろうか?』って真剣に考えちゃったり(笑)。卒業してこれからお芝居もちゃんとやっていかなくちゃいけないのに、そんなことじゃダメだと思って、思い通りの表情ができるように自宅でたくさん自撮りをしていたんです。そこでせっかくやるなら自分の写真集を作ろうと思って、SNSでとっても好きな雰囲気の写真が見つかって、『この人にお願いしよう!』って。写真家の武井宏員さんだと分かって、すぐに連絡を取りました」

 写真集のタイトル「傍-かたわら」には、アイドル時代をともに過ごしたファンとの心の友情そのままに、困ったときや何かのきっかけでふと傍らにある写真集を開いてもらい、「今も頑張っているよ」とお互いに確かめ合えるような一冊になってほしいという思いを込めた。

「ファンの方からもたくさん感想をいただき、こうやって写真集という形に残せたことも本当に感謝しています。武井さんの写真は光の表現がとても魅力的で、私もこんな写真を撮りたいと思ってカメラの勉強を本格的に始めたんです」

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