青学卒トリリンガル・シンガーが突然、仏語圏アップルミュージックでチャートインの理由
シンガー・ソングライターの小関ミオが2017年にリリースしたアルバム「Before Monday」が欧州フランス語圏のアップルミュージックのJポップアルバムチャートなどの上位にランクインし、注目を浴びている。小関は、西野カナらに楽曲提供する一方、2013年から2年間渡仏した経験を生かし、日本語、フランス語、英語でサウンドを紡ぐトリリンガル。突然のブレークに、本人もビックリだが、そこにはSNS時代ならではの理由があった。
小関ミオ、アルバム「Before Monday」がJポップアルバムチャート上位にランクイン
シンガー・ソングライターの小関ミオが2017年にリリースしたアルバム「Before Monday」が欧州フランス語圏のアップルミュージックのJポップアルバムチャートなどの上位にランクインし、注目を浴びている。小関は、西野カナらに楽曲提供する一方、2013年から2年間渡仏した経験を生かし、日本語、フランス語、英語でサウンドを紡ぐトリリンガル。突然のブレークに、本人もビックリだが、そこにはSNS時代ならではの理由があった。(取材・文=平辻哲也)
「Before Monday」はアップルミュージックのチャートだけではなく、Official European Independent Music Chart(ヨーロッパ公式インディーズチャート)で第1位にランクイン。チャート内で唯一の日本人アーティストという快挙だ。
「4年前の作品が海を渡って、いきなりチャートインしているんです。日本ではリリース当時にチャートインにも届かなかったのに、アップルミュージックではスイス2位、ベルギー3位、フランス5位。このチャートはダウンロード数などを反映したもののようですが、フランスの友人から話を聞くと、平井大さん、安藤裕子さん、L’Arc~en~Cielさん、AIさん、桑田佳祐さんがチャート上位に入っているそうです。私のSNSもYouTube、インスタグラム、ツイッターなどを合わせて、ここ最近で5000人以上増えました。皆さんほとんどがフランス語圏に住われている方々です」
そういって、小関本人も驚きを隠せない。ブレークのきっかけは、今年5月から、欧州向けに日本の菓子やアパレルを販売し、日本を紹介するコンテンツを製作、配信するフランス人が運営する会社「Ici Japon Corp.(イシ ジャポン株式会社)」(東京都葛飾区)チームの一員になったこと。
フランス人を中心に約15人が在籍する同社では、東京で働き、暮らす自分たちの日常をリアリティーショーのようにまとめ、YouTubeチャンネル「Ici Japon Corp.」で配信中。特にフランス語圏で人気が高く、登録者は13・5万人以上を数える。クライアントサービスや商品管理、Webマーケティングを担当する小関も実名、顔出しで出演し、同社が展開するアパレルブランドのモデルも務めている。登場回数が増えるにつれ、「小関ミオは実はシンガー」ということが知れ渡り、フランス語圏のアップルミュージックでのダウンロード数が急増したのだという。
小関は、父・明氏がテレビ朝日のドラマプロデューサー、姉・小関奈央は満島ひかりや「乃木坂46」の齋藤飛鳥らをフィーチャリング・ボーカルに迎えた「MONDO GROSSO」の復活劇を仕掛けたA&Rディレクター。自身は幼少から始めたバレエをきっかけに、フランス語に触れ、英語も堪能なトリリンガル。青山学院大学卒業後は3年間、USENの系列会社でプロモート業務に携わり、退社後の2011年からは西野カナらに楽曲提供する一方、シンガー・ソングライターとして活躍。2013年から2年間渡仏した後は神戸を中心に、全国ツアーを行うほか、夏木マリ主宰のパフォーマンスカンパニー「マリナツキテロワール」の一員としても活動している。
「今年で作家デビューして10年目。今まで遠回りしたり地道にやってきたこと今に繋がっているのを実感しています。Ici Japonでの仕事は、普段からやっているセルフプロモーションにも通じるものがあって、毎日が発見で毎日新しい自分に挑戦することがこの上ない喜びです。発信することの大切さも改めて日々学んでいるところです。YouTubeを通じてファンになってくれたフランス語圏の皆さんもSNSで私の過去の作品や活動を知って、日本とフランスの友好のためにありがとう! 応援してる! とエールをくれて、とてもうれしいです!」