「TOKYO MER」 巨悪斬りに視聴者快感 白金大臣が豹変した理由 「コロナ禍で見習うべき」

俳優の鈴木亮平が主演を務めたTBS系日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(毎週日曜、午後9時)の最終回(15分拡大、第11話)が12日に放送された。ストーリーのあちこちに埋め込まれていた伏線が最終回で見事に回収され、感動的なフィナーレとなった。放送終了直後、ツイッターでは「TOKYO MER」「音羽先生」「白金大臣」「喜多見先生」といったワードが次々とトレンド入り。続編を希望する声もあふれるなど大きな反響を呼んだ。(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

12日に最終話が放送された「TOKYO MER~走る緊急救命室~」【写真:(C)TBS】
12日に最終話が放送された「TOKYO MER~走る緊急救命室~」【写真:(C)TBS】

テロリストのエリオット椿に鉄槌下る 喜多見はそれでも手術

 俳優の鈴木亮平が主演を務めたTBS系日曜劇場「TOKYO MER~走る緊急救命室~」(毎週日曜、午後9時)の最終回(15分拡大、第11話)が12日に放送された。ストーリーのあちこちに埋め込まれていた伏線が最終回で見事に回収され、感動的なフィナーレとなった。放送終了直後、ツイッターでは「TOKYO MER」「音羽先生」「白金大臣」「喜多見先生」といったワードが次々とトレンド入り。続編を希望する声もあふれるなど大きな反響を呼んだ。(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

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 最終回が盛り上がった理由は、妹の涼香(佐藤栞里)を亡くして失意のどん底に沈んだ「TOKYO MER(モバイル・エマージェンシー・ルーム)」の喜多見チーフ(鈴木)の復活や公安警察によってテロリストのエリオット・椿(城田優)に鉄槌が下ったこともあるが、何より大きかったのは厚生労働大臣・白金眞理子(渡辺真起子)の見事な豹変(ひょうへん)ぶりだ。

 女性初の総理大臣を目指す白金大臣は、最大のライバルである東京都の赤塚知事(石田ゆり子)の陣頭指揮で創設された救命救急チーム「TOKYO MER」を解体しようと躍起になっていた。同省の久我山医政局長(鶴見辰吾)、さらには政界のドンと恐れられる民自党幹事長・天沼夕源(桂文珍)と共謀して喜多見チーフをテロリスト扱いする茶番まで繰り広げた。

「TOKYO MER」のTBS公式ホームページを見ると、白金大臣についてはこのように紹介されている。

「剛腕と突破力で政界をのし上がって来た超実力派代議士で、女性初の総理大臣を目指している。最大のライバルは東京都知事の赤塚と目しており、赤塚の政策で誕生したTOKYO MERを目の敵にしている。赤塚の失策であるとアピールするため、TOKYO MERを解体させることにしか眼中にない」

 しかし、白金大臣のこうした高飛車な態度は第7話(8月15日放送)から揺らぎを見せ始める。喜多見チーフらの決死の救出活動に許可を出した赤塚知事から「白金大臣は元医系技官ですよね。私なんかよりよっぽど理解できるんじゃないですか、喜多見先生たちの気持ちが」と諭される場面があった。「TOKYO MER」が世間から批判を浴びた際も、天沼幹事長と久我山医政局長がほくそ笑む中、なぜか白金大臣の表情は暗かった。

 最終回は涼香の命を奪ったエリオット・椿が連続爆破テロを引き起こし都内で大勢の負傷者が発生するという修羅場となった。白金大臣の微妙な変化を察知した視聴者からは白金大臣に期待する声が高まっていたが、土壇場になってついに“変身”。

 目の上のたんこぶだった天沼幹事長を闇献金疑惑を使って斬り捨てることを決断し、東京都の危機管理対策室に乗り込んでMERを自身の判断で正式認可。天沼幹事長から理不尽なクレームが来ると「引っ込んでいてもらえますか? 政治家は国民の命を守ることが仕事。命を最優先します!」と現場の厚労省職員に負傷者の搬送先を確保するようテキパキと指示を下したのだった。

 白金大臣の矢継ぎ早の行動力は爽快だったが、その一方で権力を握るとはどういうことかを如実に見せつけるシーンでもあった。

「死者0です!」の報告を聞くと「よーしっ!」と赤塚知事のお株を奪うツンデレポーズまで披露。ネットでは「今日の一番のMVPは白金大臣だった」「人命救助に考えが変わったあとの指示の飛ばし方がかっこよかった」「悪かった人ほど、善に回ったとき輝きますね」「ツンデレ部門も音羽先生抜いて逆転優勝です」「白金大臣がかっこよくて沸いた」など感動の声が続々と寄せられた。

 MERに参加していた医系技官の音羽(賀来賢人)も日本の医療体制を変革するために官僚になったことを告白していた。白金大臣が、権力欲丸出しの憎き巨悪を成敗した動機は、「命を救いたい」という医療従事者としての当たり前過ぎる志だった。ここが視聴者の快感を呼んだ最大のツボとなった。

「このドラマは当初から医療従事者への感謝の思いを込めて制作されています。前回はテロによって喜多見チーフの最愛の妹である涼香が死ぬ、というあまりに悲惨な鬼展開となりましたが、いま世界ではコロナで命を落とす人が相次いでいます。そんな命の尊さを視聴者に改めて知らせるための“ショック療法”が涼香の死だったわけです。行政のコロナ対応に対して不安と不満の声が高まっています。だからこそ、白金大臣の電光石火の豹変と政治家としてテキパキと明確な指示を繰り出す姿が強いメッセージとして視聴者の胸に刺さったのだと思います」(放送ライター)

 白金大臣の“剛腕と突破力”に見習うべき点は多いはずだ。

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