木村健悟氏、整形指令受けていた レスラー人生の岐路を告白「悩んだよ、そりゃあ」

“世界の荒鷲”とのスペースインベーダー秘話

 凱旋帰国後には、当時、東京・南青山にあった新日本プロレス事務所1階の喫茶店で、坂口征二氏がスペースインベーダーのゲームを木村氏に教えていた。「このタコとな、このイカをな、このボタンでピューンピューンと打ってな…」と、優しく丁寧に教える坂口氏。

「へ~、こんなゲームができたんですね」と熱心に画面に見入る木村氏。

 師弟関係の2人。大きな男が背中を丸めてゲームに興じる。「あ! 危ない。坂口さん、危ないですよ」「う、うん。そうなんだけど」…ゲームオーバー。

「やってみるか」 「はい」 「どうだ? 面白いだろ」 「意外に難しいものですね」 「コツがいるんだ」 「そうですね」

 喫茶店のマスターもお盆を持ったまま、画面をのぞき込む。

「ああ、やられた」 「もう1回やればいい」 「頑張ります」 顔を見合わせてほほ笑む。

 2人の穏やかな性格が垣間見え、そこだけが優しい空間だった。今でも鮮やかによみがえる。

次のページへ (3/3) 【写真】「整形しろ」と指令された木村健悟氏の優しい笑顔
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