RIZINバンタム級GP大予想 格闘技界で20年間生き残ってきた「DEEP」佐伯代表を直撃
西暦2021年の現在、北は北海道から南は沖縄まで、日本列島には大小含め、さまざまな格闘技団体が存在する。もちろん開催規模の大きさでは、筆頭はRIZINになるが、RIZINは団体ではなくフェデレーション(連盟)を掲げており、厳密には団体に分類されるかは微妙なところ。とはいえ、世界に存在する幾多の団体の契約選手がRIZINに魅力を感じて集結してくる“場”になっている。ちなみに日本には、例外こそあるものの、主にDEEP、修斗、パンクラスの3団体が、RIZINへの登竜門とされており、事実、これらの団体で活躍した選手がそのままRIZINに参戦する例も数多く存在している。そういった背景も含め、今回はDEEPの佐伯繁代表を直撃。20年に及ぶ団体運営の紆余曲折を聞いてみた。
グランプリ1回戦における基本的考え方
西暦2021年の現在、北は北海道から南は沖縄まで、日本列島には大小含め、さまざまな格闘技団体が存在する。もちろん開催規模の大きさでは、筆頭はRIZINになるが、RIZINは団体ではなくフェデレーション(連盟)を掲げており、厳密には団体に分類されるかは微妙なところ。とはいえ、世界に存在する幾多の団体の契約選手がRIZINに魅力を感じて集結してくる“場”になっている。ちなみに日本には、例外こそあるものの、主にDEEP、修斗、パンクラスの3団体が、RIZINへの登竜門とされており、事実、これらの団体で活躍した選手がそのままRIZINに参戦する例も数多く存在している。そういった背景も含め、今回はDEEPの佐伯繁代表を直撃。20年に及ぶ団体運営の紆余曲折を聞いてみた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
まず最初に、現在RIZINで開催されているバンタム級JAPANグランプリについて話を聞いた。なぜならこの話が今現在進行形の話題においては、最も旬になるからだ。
参考までにグランプリは、「RIZIN.28」(6月13日、東京ドーム)と「RIZIN.29」(6月27日、丸善インテックアリーナ大阪)でそれぞれ1回戦4試合が行われ、来る9月19日にさいたまスーパーアリーナで開催される「RIZIN.30」で2回戦4試合が実施される。
「最初に言ってくと、僕にも立場があるので、言いづらい部分もあるんだけど…」と言いながら、まずは状況を説明しながら、佐伯代表の基本的な考え方を口にする。
例えば「RIZIN.29」での1回戦4試合は、結果的にはその4試合すべてがフルマークの3-0だったとはいえ、すべて判定にまでもつれ込んだ。
これに関して佐伯代表は、「それぞれの選手の立ち位置を理解していくと、ああいう試合展開になるんです」と話す。
要約すると、実績の劣るファイターからすれば、当たって砕ければ爪あとを残せるが、負けたら次がないトーナメント戦では、絶対に勝たないといけない選手にとっては手堅い戦法を取らざるを得ない。それが判定決着にまで至る原因になってしまった、ということだろうか。
それを踏まえて見ていくと、「RIZIN.30」で実施される2回戦4試合は「僕もまさかのカードになった」と佐伯代表は私見を述べた。
その上で、グランプリ2回戦4試合を次のように予想した。
グランプリ2回戦4試合の予想
◇元谷友貴VS瀧澤謙太
佐伯代表いわく、「元谷選手はウチの最高傑作と言われている」そうだが、佐伯代表にとっては瀧澤も関係性の深い選手。
「そういう意味では複雑ですよ。でも、その2人が頑張って盛り上げて、いい試合をしてくれれば」と話しつつ、「トータル的に見ると、やっぱり元谷選手のほうが有利に見えるのかなって。ただ、瀧澤選手は要所要所で逆転したりとか、何か持っている子なんですよ。そういう意味では瀧澤選手も振り回してくると思うし、そこを元谷選手がどう試合をできるのか」との見解を示した。
◇扇久保博正VS大塚隆史
実は扇久保が会見の席で(「RIZIN.28」で闘った)「東京組のほうが(「RIZIN.29」で闘った)大阪組よりも強い」と発言。それを受けての対戦だけに、いわゆる格オタの間では違った意味での注目が集まっている。
「この2人、タイプは似ているんですよね。それと2人とも打撃が上手くなった。ただ、RIZINでの経験値でいうと、ここぞというときに、ちゃんとやってきた扇久保選手のほうが若干有利かなと。そこを大塚選手がどう作戦を立ててくるか、じゃないかな」(佐伯代表)
◇朝倉海VSアラン“ヒロ”ヤマニハ
優勝候補の朝倉の相手となったヤマニハは、最近、格闘技界で話題のボンサイ柔術の使い手。
「この試合は、海選手がKOで勝つと思っています。っていうのはヒロ選手はそこまで極めが強いわけではない。ボンサイ柔術も全員が全員、手ごわいわけではないんですよ。(『RIZIN.28』で朝倉未来を三角絞めで仕留めた)クレベル・コイケと(RIZINライト級王者の)ホベルト・サトシ・ソウザが異常な部分があるんですよね。ヒロ選手は身長も少し小さいし、今のままだと、海選手が有利かなと思いますね」
◇井上直樹VS金太郎
この試合が2回戦4試合では屈指の好カードと呼ばれている。
「これはちゃんと総合格闘技をやったら(井上)直樹選手が強い。ただ、金太郎選手が大勝負っていうか勝負をかけたら、当たれば倒れるので、そこ次第じゃないですか。だから全然、可能性としてはあると思うし、僕は直樹選手はストライカーのパンチに当たったときしか倒れないと思っています。もちろん金太郎選手も一発を持って必死に行くと思うので、直樹選手が有利ではあるけど、今回の4試合の中では一番、番狂わせをする可能性もあるかなと思います」
もし佐伯代表の見立てがすべて当たった場合、扇久保が言うところの東京組が4人残ることになる。
「そうなったらもう準決勝はその場で決まっちゃうじゃないですか。井上VS扇久保、朝倉VS元谷か滝澤になる。ただ、もしかしたら、いい意味での番狂わせがあったほうが面白いのかもしれないけどね」