葉加瀬太郎独白、究極の「情熱大陸」誕生秘話…当時の演奏はヘタクソだった

ソロデビューから25年目を迎えたバイオリニストで作曲家の葉加瀬太郎(53)が18日、ニューアルバム「SONGBOOK」をリリースした。凄腕ミュージシャンが集結し、最高の演奏で新録された代表曲の数々や躍動感に満ちあふれた新曲が収められているが、なかでも史上最もエキサイティングで美しいアレンジに生まれ変わった「情熱大陸」はどのように誕生したのか? そのきっかけについて聞いた。

ソロデビュー25周年を機に究極のアルバムを作ることを決意【写真:塩見徹】
ソロデビュー25周年を機に究極のアルバムを作ることを決意【写真:塩見徹】

コンサートのMCも真剣勝負「お客さんだけじゃなくてバンドメンバーも笑わせたい」

 ソロデビューから25年目を迎えたバイオリニストで作曲家の葉加瀬太郎(53)が18日、ニューアルバム「SONGBOOK」をリリースした。凄腕ミュージシャンが集結し、最高の演奏で新録された代表曲の数々や躍動感に満ちあふれた新曲が収められているが、なかでも史上最もエキサイティングで美しいアレンジに生まれ変わった「情熱大陸」はどのように誕生したのか? そのきっかけについて聞いた。(インタビュー・文=福嶋剛)

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 自らの楽曲を歌(=SONG)と呼ぶ葉加瀬は、新作「SONGBOOK」について次のように話した。

「『情熱大陸』や『エトピリカ』『Another Sky』『Ammonite』といった僕の代表的な“SONGS”を作っていたころは、宅録(=自宅録音)に命がけだった時代なんです。バイオリニストのアルバムなのにエネルギーの90%は曲作りのプログラミングに注ぎ込んでいた。だから当時録音されたバイオリンを聞くと…ファンの皆さんには大変申し訳ないんだけれど、ヘタクソなんですよ。でも当時はそれでよかった。なぜなら今の俺がそこに刻み込めたらそれでいいっていう考えでしたから(笑)。今回はソロデビュー25周年を機にプロデューサーの羽毛田丈史さんと『これまでの定番曲を究極の形で焼き直して、これぞ原点というようなマスターピースを作ろう』って話したんです」

 昨年の全国ツアーは、海外でも活躍したドラマーの屋敷豪太など、凄腕のバンドメンバーを迎えたことで毎回スリリングで躍動感に満ちたステージとなった。この経験が葉加瀬自身に大きな変化をもたらし、次に進むべき方向性が見つかったという。

「昨年の全国ツアーでまったく新しい音楽世界が見えたんです。『あっ、これだ! 俺が求めていたのはこの次元なんだ』っていうくらい、今のバンドのサウンドにほれ込んだんですよ。まるで“葉加瀬太郎バンド”という巨大な恐竜を動かしているような、そんなダイナミックな感覚を味わったんですね。それで、究極のアルバムを作るならこのメンバーしかいないって思ったわけです」

 全国ツアーで意気投合したメンバーとのレコーディングはとにかく楽しかったという。そのにぎやかな録音風景の模様は「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」(テレビ朝日、毎週土曜、午後6時56分)の番組内でも紹介された。(番組テーマ曲として新たに書き下ろした「博士ちゃん」がアルバムに収録されている)

「子どもの遠足みたいにいい年した大人たちが、ワイワイ言いながら浮かれていましたから。『このおじさんたち大丈夫?』ってね(笑)。とにかくレコーディングスタジオが僕は大好きなんですよ。一生あの空間で生活できます(笑)。今回は羽毛田さんのアイデアで、メンバーには事前の細かい指示は一切なしにして好きに演奏してもらおうっていうことをやってみたんです。今まで宅録だった原曲を恐竜みたいなスーパーバンドがスタジオで究極の演奏をしてくれるわけですから。自分も思い切りバイオリンに集中できましたし、同じ楽曲でも今までとはまったく次元の違う作品になりました」

次のページへ (2/3) サンタナをオマージュした新しい「情熱大陸」
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