【欧州車紀行・北仏10】オンフルールからヴェルノン、そして最終目的地ジヴェルニーへ
ロードサイドでたいていのものが手に入る日本の便利さ実感
パリからのA13に乗らずに延々と進んで、ヴェルノンへとひたすら向かう。
「こんなに走っても、間違ってもコンビニはないからね。気軽に立ち寄るレストランもないし、自動販売機だってないわね」
「買い物をできるのはガソリンスタンドくらいかな。でも、探すとなかなか見つからなくてね。移動距離が長いと、食いっぱぐれるのは当たり前だからね」
「トイレもね。いけるときに必ず、済ましておかないと」
そもそもロードサイドという考え方がないようだ。ドライブでは街から街の間は横に入る道路も極端に少ない。ちょこまかしているけど、行きたいところで曲がれて、ロードサイドで何でも売っている日本のありがたさを改めて思う。
「日本を訪れたフランス人は日本の便利さに仰天するだろうね」
「それでも、日本のメディアは日本という国や日本人を卑下するのが得意。ジャーナリストって自分の目でリアルに見ているのかしら。知っていても卑下しないと商売にならないから、『日本は最低の国だ』と書き続けているのかしらね」
いよいよヴェルノンに近づいたと思ったのだが、またまた齟齬(そご)に気がついた。ナビに入れたホテルはヴェルノンやジヴェルニーよりもかなりパリ寄りにある、セーヌ河畔のスパ・ホテルだった。そこが、さもジヴェルニーに近いエリアだと旅行代理店が勘違いしてしまったようだ。しかも、ナビ通りに車を走らせてもホテルがなく、山の中まで連れて行かれてしまった。最後は通りすがりの人に場所を聞き、どうにかたどり着いた。
午後2時過ぎ、周辺にはホテルがあるのみ。チェックインは午後4時からというので、荷物をフロントに預け、ジヴェルニーへのルートを聞いてすぐに出発した。
「道を聞いても、フロントのスタッフがブスッとしていたね」
「変だわ」
だいたいエリアが異なるのだから、スタッフは「そんなの知らん」だったのかも。