【欧州車紀行・北仏10】オンフルールからヴェルノン、そして最終目的地ジヴェルニーへ

2019年9月22日。“モネの家”があるジヴェルニーに出発する前に、オンフルールの街を歩く。

芸術の街・オンフルール【写真:峯田淳提供】
芸術の街・オンフルール【写真:峯田淳提供】

芸術の街・オンフルールでは散策を楽しみたい

 2019年9月22日。“モネの家”があるジヴェルニーに出発する前に、オンフルールの街を歩く。

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 小さくまとまったオンフルールは静寂なピアノ音楽で知られるエリック・サティが生まれた街であり、モネと交流があった印象派の画家ブーダンの街でもある。どちらもホテルから徒歩3、4分とご近所だった。さらに木造の教会として知られるサント・カトリーヌ教会もある。

 朝食後、3か所を回ってから車を止めた公共駐車場へと向かう。わが愛車、C-MAX君のご機嫌をうかがうように、声に出して「おはよう」と朝のあいさつ。今日も1日、よろしく頼んます。

 海沿いの広いパーキングの中ほどに料金メーターがあり、コインを入れて料金を払っている人がいたので、それに倣って、2ユーロ(約262円)を。かなり安い。ここはコインを払うとゲートが上がる方式ではなく、払ってそのまま出るだけでよかった。

 備え付けのナビには、すでにジヴェルニーのホテルの住所を入力してある。パリに向かって距離にして120キロほど。旅行代理店とのやりとりでは「現地にあまりホテルがないようなので、ジヴェルニー付近のホテルということでお探しました」。ジヴェルニーはパリ市内から車で片道1時間ちょっと。バスツアーで日帰り観光で訪れる人が多く、宿泊して2日間も滞在する人は少ないのかもしれない。だが、このホテルも意外なことになるのだった。

便利なラウンドアバウト――メリット、デメリット

 ジヴェルニーへは片側一車線だが、幅がとても広い道路が続いた。しかも、ラウンドアバウト(環状交差点、フランスではロン・ポワン)が多い。信号がなく、円形の交差点をグルグル回りながら、進みたいディレクションの方向に出るラウンドアバウトは日本にはあまり見られない交通システムだ。

 日本のテレビ番組で紹介したら、スタジオにいたタレントは「分かりにくい」とか「安全性は大丈夫なのか」といった疑問を投げかけていた。実際に車で通ってみると、出口のディレクションの看板が出ているので、慣れたら簡単なのだが。困惑するのはほんの脇道としか思えないようなルートもナビに入っていて、それを1本目とか、2本目と、カウントするのか分からないときだ。

 しかし、間違えそうになったら、もう1周して正しいディレクションに入ればいいので、慌てなければ、とても便利。連れ合いのゆっちゃんいわく、「地球温暖化対策というなら、日本は信号をやめて、ロン・ポワンにすべきよね。アイドリングの時間が圧倒的に減ると思う」。

 確かに。

「都心は無理だけど、田舎で新しく道路を作るときはラウンドアバウトがいいと思う。交通量が多くなければ、スピードを落とすだけで車をほとんど止めることなく、ラウンドアバウトに入って行って、そのまま行きたい方向に行くことができるから」

 ジヴェルニーへの道路のラウンドアバウトはディレクションが進行方向に真っすぐが多く、入って、右に円を回ってそのまま通り抜ける感じ。一般道でも100キロくらいのスピードから徐々に減速して、ストップ寸前でそのまま入り、加速しながら目的のディレクションに出る。それが単調すぎ、急に眠気に襲われる。なので、車旅の場合、ブラック系の眠気覚ましのガムが必需品になる。

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