俳優・原沢侑高、どん底から這い上がった兄・原沢久喜は誇り「一番かっこいいアニキ」
日本がメダルラッシュを見せる東京五輪は開幕1週間が過ぎた。柔道男子では30日、100キロ超級の原沢久喜(29=百五銀行)が登場。リオデジャネイロ五輪決勝で敗れたテディ・リネール(フランス)へのリベンジを誓い、日本武道館の畳に上がる。その原沢に熱いエールを送るのが弟で俳優の原沢侑高(ゆたか=24)。知られざる兄の素顔を明かすとともに、秘話を公開した。
「リネールは強かった?」の軽率質問に兄は…
日本がメダルラッシュを見せる東京五輪は開幕1週間が過ぎた。柔道男子では30日、100キロ超級の原沢久喜(29=百五銀行)が登場。リオデジャネイロ五輪決勝で敗れたテディ・リネール(フランス)へのリベンジを誓い、日本武道館の畳に上がる。その原沢に熱いエールを送るのが弟で俳優の原沢侑高(ゆたか=24)。知られざる兄の素顔を明かすとともに、秘話を公開した。
191センチの久喜に対し、侑高も188センチの長身。その差は3センチしかない。だが、2018年に「ミスタージャパン」ファイナリストの侑高は120キロを超える兄とは対照的にモデル体型だ。「3センチ差なんですけど、会うとアニキのほうが全然でかく見えるんです」と明るく笑う。寡黙な兄に対し、弟は昔から原沢家のムードメーカー。性格は「真反対」という。共通の趣味である銭湯に行けば、9割方話しているのは侑高のほう。「ボクがしゃべらなかったらずっと無言」という兄弟の仲は良く、頻繁に連絡を取り合っている。
最近では映画やYouTube、音楽の話題に加え、柔道の話もよくするようになった。
とはいえ、それは「ここ1、2年の話」。リオ五輪後、軽率な発言で兄を怒らせてしまったことが尾を引いた。久喜はリオ五輪決勝でリネールに敗れ、金メダル獲得はならなかった。そのとき、10代だった侑高は「弟として気を遣いたくなくて」と、失意の兄に直球質問。「リネールは強かった?」と聞いた。兄はぶぜんとした表情で「おまえとは柔道の話はしたくない」とぴしゃり。兄弟仲に不穏な空気が垂れ込め、以来、柔道に関する話題は途絶えた。
そんな兄弟仲に大きな変化が訪れたのは17年だった。久喜はオーバートレーニング症候群と診断され、世界無差別級選手権出場を辞退。翌年には、所属していた日本中央競馬会(JRA)を退社した。
「JRAを辞める前のアニキと、JRAを辞めた後のアニキって違うんですよ。芯は変わらないんですけど、背負うものが変わった。JRAにいるときは現実的な人生を持っていた。辞めてから柔道一本になった。柔道一本になってからのほうがお互いベタな熱い話をすることが多くなりましたね」
兄弟仲は、以前より明らかに深くなった。今では、柔道のことはもちろん、ときにはリネールのことまで会話に登場する。久喜はリネールの組み手についても「あれは体と力の使い方の融合がうまい。力づくじゃなくて、切る動作を丁寧にやっている」と答えてくれるようになった。