【ズバリ!近況】次長課長・河本準一が明かした生活保護費受給問題から8年かけてたどりついた新境地

お笑い芸人がテレビで大活躍しているが、どんなに売れていても、ある日突然、思わぬことで足をすくわれ復活に苦労している芸人は少なくない。2012年、母親の生活保護費受給問題で、一時はテレビのレギュラー番組をすべて失った河本準一さん(44)もその1人だ。河本さんは新たな活動を始め、幅を広げるきっかけにした。河本さんに今、取り組んでいることを聞いた。

笑いを軸に活動の幅を広げている河本準一さん【写真:山口比佐夫】
笑いを軸に活動の幅を広げている河本準一さん【写真:山口比佐夫】

国連が掲げた目標に笑いで取り組んでいる

 お笑い芸人がテレビで大活躍しているが、どんなに売れていても、ある日突然、思わぬことで足をすくわれ復活に苦労している芸人は少なくない。2012年、母親の生活保護費受給問題で、一時はテレビのレギュラー番組をすべて失った河本準一さん(44)もその1人だ。河本さんは新たな活動を始め、幅を広げるきっかけにした。河本さんに今、取り組んでいることを聞いた。

 今もお笑いを中心にやってますけど、お笑い以外に何かできることがないか、と思って、2016年にスタートしたのが国連と連携している「SDGs(持続可能な開発目標)」推進の活動です。「SDGs(エスディージーズ)」といっても何のことかわからない、難しいでしょ。「貧困をなくそう」とか「気候変動に具体的な対策を」といった、国連が2015年に採択した2030年に向けた17の目標があるんですけど、日本はそれをお笑いと結びつけて子供たちに知ってもらおうという取り組みをしてるんです。

 2017年に会社(吉本興業)が「興味のある人は参加してください」というのでボクも参加して。今はボクが中心になって、その目標を織り込んだコメディ芝居とか漫才にして、全国のイベントで披露しています。メンバーはその時々で違いますけど、お芝居は全部で10人ぐらいでやってます。ボクは芝居の演出をしたり、イベントのMCやったり。月1回ぐらいの頻度ですかね。

2019年は“準米”プロデュースに乗り出した

 会社とは関係なしに、ボクの個人事務所「準組」では、ボクがプロデュースしている“準米”の販売を始めました。“準米”プロデュースは2019年から。お笑いの仕事で全国を回っているときに、たまたま知り合いから大分・国東半島の世界農業遺産認定地域で作られている朝来米(アサクマイ)を食べさせてもらったのがきっかけです。信じられんくらいおいしいのにあまり知られてなくて、「もっとみんなに知ってもらって、おいしいお米でみんなに笑顔になってもらいたい」と思ったんです。

 ボクはお笑い芸人やから、しゃべりに加えて、お米でも笑顔になってもらえたらいいな、と。でも、ただ卸とか宣伝をやるんじゃなくて、プロデュースとうたう以上は田植え、追肥、稲刈りとか米作りも手伝おう、と思ったんです。本業のお笑いの仕事の依頼を断って休んで、一緒に連れて行く後輩芸人の交通費もボクが自腹きって。なんでそこまでやるのか? やりたい、と思ったからです。やりたいと思ったことを、先送りしないようになったんです。

急性すい炎で死にかけて人生観に変化

 きっかけは2010年と2015年に急性すい炎で死にかけたこと。テレビの仕事の撮影中にお腹がめちゃくちゃ痛くなって、撮影が終わったとたん意識失ってそのまま入院。ICUに入って家族が呼ばれて……。まだ35歳と40歳のときですよ。酒、牛肉、ラーメン、揚げ物、刺激物をとったらダメになってしまいました。慣れましたけど、飲めないのはちょっとツライですかね。眠れないときがあるし、お酒の席が多いんで。

 病気する前はほとんど寝てなくて、運動もしてなくて、それが身体に負担やったらしいです。だから今はジム行って運動もして、2か月に1回、血液検査して再発しないよう気をつけてます。それでも、人間いつ死ぬか、ほんまにわからない。それに気づいたんです。「〇歳になったら△△やろう」なんてノンキなこと言ってられない。やれるときに、興味をもったことは何でもやろうと思うようになりました。

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