なぜフェラーリが好きなのか―「他と別物」「作り手の情熱」「エンジン音」オーナー証言
車好きにとってあこがれの「スーパーカー」。そんな夢の車を手に入れたオーナーたちの“熱き思い”を紹介するシリーズ。今回は、誰もが1度は名前を聞いたことのある名車「フェラーリ」のオーナーを直撃した。
一生付き合える相棒と出会ったよろこび
車好きにとってあこがれの「スーパーカー」。そんな夢の車を手に入れたオーナーたちの“熱き思い”を紹介するシリーズ。今回は、誰もが1度は名前を聞いたことのある名車「フェラーリ」のオーナーを直撃した。(取材・文=福嶋剛)
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スーパーカーの魅力を全国のファンに伝えていく「一般社団法人 日本スーパーカー協会」、そしてオーナーたちの親睦をはかるコミュニティー「SuperCar Club Japan(=SCJ)」の代表を務める須山泰宏(ニックネームは“YASU”)さんは、ボロボロのフェラーリ社「ディーノ246GT」を5年半かけて修理した伝説のオーナーとして知られており、テレビや雑誌でもたびたび紹介されている。80年代の“スーパーカーブーム”に影響を受けた1人だ。
YASU「私も子どもの頃、よく“スーパーカー消しゴム”で遊んでいました(笑)。でも現在のようにスーパーカーに深くのめり込んだのは、大人になってからなんです。免許を取って車に乗り始めた時『一生付き合えるような車はないかな?』と思っていたところ、出会ったのがスーパーカーであり、今の“ディーノ”だったんです」
当時27歳の会社員だったYASUさんは、一念発起して必死でためた1000万円でサビだらけの“おんぼろ”ディーノ246GTを購入。そこから修理や塗装、板金まで覚え、5年半かけてようやくレストア(=修復)させた。
YASU「ディーノの魅力は、出会った第1印象につきますね。『こんなに美しい車があるんだ!』って。これまでの人生の中で1、2を争うものすごい衝撃でした。やっぱり“フェラーリ”というブランドの持つ強烈な引力……創始者のエンツォ・フェラーリさんの哲学だったり、歴史だったり。この車の開発に携わった長男さんが道半ばで若くして亡くなったんですが、ようやくこの車が完成した時、彼の愛称“ディーノ”と名付けられたんです。そういったストーリーすべてにほれ込んでしまいました。それからもう30年。この相棒と人生の半分以上一緒にいることになるんですよね」
今年5月にENCOUNTで“スーパーカー愛”あふれる話を紹介したところ、多くの共感コメントが寄せられた。
YASU「皆さんに見ていただいてうれしいです。今“車離れ”が進んでいて、特に車への興味が低いと言われている若い人たちに、スーパーカーの持つ魅力、楽しさを伝えていきたいですね」
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■ボロボロのフェラーリ・ディーノ246GTを1000万円で買って30年乗り続ける元会社員の話
URL:https://encount.press/archives/167304/
フェラーリのエンジンはまるで生きているような感触
YASUさんと一緒にスーパーカーの魅力を全国に発信している「日本スーパーカー協会」事務局長の山里真元さんもフェラーリオーナーの1人。大阪と東京に拠点を置く金融系システム開発などの会社経営者という顔を持つ。
山里「僕はスーパーカーブームの次の世代。地上波でF1に熱中していた世代にあたるのですが、スーパーカーに興味を持ったのは2003年の『東京モーターショー』。そこで発表されたSLRマクラーレンが、パッと目に入ってきて、あまりにもかっこよくて衝撃を受けました。僕にとってスーパーカーの魅力とは、究極の“人類の英知の結晶”でしょうか。採算が取れるとか取れないとか、そんな論理では絶対に生み出せない自動車。自分たちの技術の結晶やここまで人類が進化したんだという証明。そのためにすべてを注いで開発しているというパッション(=情熱)ですね」
そんなスーパーカー好きの山里さんも、これまでさまざまな車に乗り、現在は“フェラーリ カリフォルニア”に乗っている。
山里「これまでの人類の到達点ということで考えると、スーパーカーの“内燃機関”(=エンジンの原動機にあたる部分)の開発って、すごいと思うんです。中でもフェラーリの内燃機関は究極というか。音はもちろん、レスポンスも、乗っていてまるでエンジンが生きているような、そんな感触がするんです。それはこれまで乗ってきた車には感じなかったことなんですが、きっとF1で培った技術をフィードバックしているとか、そういう裏付けもあると思います。ただ何よりやっぱり注ぎ込んだ作り手の情熱が、乗っていてダイレクトに伝わってくる。この感覚は、いまだにオンリーワンだと感じています。やっぱりフェラーリが1番ですね」