「俺、ワンチャン戦力外だ」 有吉反省会で“反省”した元プロ野球選手が戦力外通告に備えていたこと
2回目の戦力外には「予想も準備もしていました」 セカンドキャリアへの考え方
――戦力外通告を受けることを察しながらもゲーム配信をしていたときはどんな心情だったのでしょうか……。
「戦力外通告自体は今回が2回目だったので、予想も準備もしていました。1回目と2回目の違いはすごく大きいですし、これはなったことがある人にしか分からないと思います。西武ではプロ入りしてからほぼ2軍で、2017年の9月頃にチームが上位争いをしている中で、僕とタイプが似ている選手が1軍に上がったんです。そこで『ああ、俺ワンチャン戦力外だ』と思いましたね。
6年間のほとんどを2軍で過ごしてしまったのですが、2軍にいたらお金にならないんです。そこで戦力外通告を受けて『今後どうしよう』という絶望感もありました。6年間の愛着もあって、いろんな方がよくしてくれて、仲がいい方もいて……そこに戦力外を食らった精神的なダメージはかなりありましたね」
――現役時代は名前や素性を明かさずにYouTubeでゲーム配信を行っていた田代さん。現役引退を表明後は名前を出しながらYouTubeの配信と並行して就職活動を行っていましたが、現在は。
「保険の営業をしています。フィナンシャルプランアドバイザーとして、保険をお売りすることで皆さまの命をお預かりする仕事です。これまで野球しかやってこなかったので、そういう世界の知識はなかったんです。日本の文化の悪いところでもあると思うのですが、『野球選手なら野球だけやれ!』『プロならプロだけで頑張れ!』というところがありますよね。引退後のセカンドキャリアを何も考えていないので、現役を終えてから『何をしよう』とパニックになってしまう人が多いんです。
その点、海外では現役と並行してセカンドキャリアを学んでいくので、引退しても大丈夫。そういう意味でも、僕はYouTubeをやることに保証をかけていたところもあって。ただ単に遊びではなく、YouTubeがセカンドキャリアにつながっていく時代だと思います。僕は現役をやりながらだったので難しかったのですが、ネットワークはかなり強力です。YouTubeで出会った人とのつながりもセカンドキャリアにつながるかもしれないと思っていました。
昨年12月で球団からの参稼報酬は終わりましたが、それと同時にYouTubeの収益も入ってくるようになりました。ずっと野球をやってきた身体を休めたいとも思っていたので、好きなことをやりながら、仕事を探しながら過ごしていましたね。でも、『どんな仕事をやるの?』と言われても分からないし、どういう仕事をしたいかも分からなかったんです。
ずっと野球をやってきて、『(引退後に)何ができるんだろう』と思ったときに、本当に何もできないことに気が付きました。だから、とにかくYouTubeでゲーム配信をやってとりあえずお金を稼ぐことにしました。その間にお声をかけてくださったのが何社かあって、お会いしたアクサ生命保険株式会社の方たちはすごくいい方たちで、『ここならできそう』と感じて入社することにしました。マイナスからのスタートです(笑)」