ウルトラマン最新作「トリガー」が「仮面ライダー」から受けた指針 ヒーロー演じる秘訣
「ウルトラマン」と「仮面ライダー」に存在する場面
ちなみにそのオーディションとはどんなものかと問うと、コロナ禍らしい審査方法だった。
「コロナ禍なので対面での審査がなかなかできにくい。それもあって最近は動画審査が多いんです。今回は1次審査が動画でした。2次が面接です。動画は5、6パターンのお芝居、それと特技と意気込みを撮影して送ってみました。お芝居の内容は、優しい気持ちのときのケンゴ、敵と対面したときに怒りをぶつけるケンゴを含め、シリアスからコメディーまで演じ分ける感じですね」
寺坂いわく、「実はケンゴという役柄は僕っぽい」。実際、ケンゴのプロフィールを読むと、「人当たりの良い優しく真面目な性格で、人々の笑顔を守るために戦う熱い正義の心も持ち合わせている」とある。
「まんまじゃんと思いました。でも、まんまで演じてもダメだと思って、自分なりには工夫しながら動画の撮影をしたつもりです」
そして注目すべきは特技。寺坂がリーダーを務める祭nine.でもアクロバットを得意としているグループだけに、その技を披露しながら動画を撮影した。
「今、(『ウルトラマントリガー』の)撮影に入っていますけど、アクロバットはすでに生かされています。だからアクションの場面は期待していてほしくて。序盤は受けてやられるお芝居が多い状態なので、今後、ケンゴの魅力も徐々に開花されていくので、アクションも激しくなっていくと思います。その部分に期待してください。アクションは、僕自身も志願して撮影させていただいていますし」とニヤリとしながら微笑んだ。
ところで、あまたあるドラマ作品の中で、「ウルトラマン」と他の作品との大きな違いは、やはり変身ポーズが存在することだろう。
「最初は変身アイテムを使っての変身がぎこちなくて。ものすごく緊張しました。ホント手が震えるくらい緊張していたんですけど、周りの方がそんな僕にプレッシャーをかけるんですね」
実際、なんと言われたのかと言えば、「(2020年に放送された)『ウルトラマンZ』のハルキ(演:平野宏周)は1発で変身シーンを決めた。キミはどうかな?」。
結果的には「割と上手に変身できた」寺坂だが、「変身ポーズを撮る時は今でも緊張する」という。やはり他の作品との最大の違いがそこにあるからだろう。
ならばと寺坂に聞いてみた。
日本には「ウルトラマン」と並ぶ変身ヒーローに「仮面ライダー」が存在する。実は寺坂の所属する事務所には、寺坂の先輩に小林豊がいる。小林は13~14年に放送された「仮面ライダー鎧武」では、仮面ライダーバロンを演じていた。今回、寺坂が「ウルトラマン」を演じるにあたり、アドバイス的なものはあったのだろうか?
「はい、いただきました」
寺坂はそう答え、続けてこう話した。
「豊さんに相談していたんですよね。そしたら『ありのままでいれば。真っすぐ伝えれば大丈夫』って言ってくれて」
しかも寺坂は小林からお守りを渡され、「心の支えになりました」と話した。
「僕は豊さんがいたからこの事務所に入れたと思っているんです。もちろん、事務所の先輩はみんな好きなんですけど、僕らの事務所は名古屋にあるじゃないですか。だから事務所に入る前には、東京に事務所があるほうがいいんじゃないかって思っていた時期もあったんですけど、僕の前には豊さんというヒーローになる夢をかなえた人がいる。だったらこの事務所でやってみてもいいじゃないかって背中を押されたんですね」