車好きの芸能人は多いが、四輪の自動車だけではなく二輪のバイクを愛する芸能人もいる。俳優・渡辺裕之さん（65）はその1人。10年以上出演を続けたリポビタンDのCMの男らしいイメージと、夫人で女優の原日出子さん（61）とのおしどり夫婦ぶりなどで知られるが、車は現在、トヨタ・レクサスとハーレーダビッドソンに乗っている。渡辺さんにとって車とは――？　映画、ドラマ、舞台で忙しく活動している渡辺さんに聞いた。（取材・構成＝中野裕子）

　今、乗っているのは白のトヨタ・レクサスRX450hバージョンLです。大きな荷物が詰めるので便利。僕は俳優だけじゃなくて、ジャズのライブでドラムを叩くこともあるので、楽器も積んで乗りたいんです。車高が高いのも運転するのにストレスがなくていいし、ハイブリッドだから燃費が良くて、地球にも優しいですよね。

　最初に乗ったトヨタ車はシルバーのセルシオ。40歳のとき。父がトヨタ車――コロナやマークIIに乗ってて「いつか自分もトヨタの車に」と思っていたので。セルシオは走りはもちろんですが、ラグジュアリーでゆったりと乗れるところが好きでした。

　以前はカスタムして乗っていました。セルシオは3台乗り継いだのですが、3台ともチューニングメーカー・トムスのカスタムチューニング。エンジンはいじらずエアロパーツと足回りのチューニングです。道路に吸い付くような感覚を楽しんでいました。まあ、いろいろやって、今はノーマルなんですけどね（笑）。運転も年齢とともにどんどんおとなしくなっています。

「人命救助！」と報じられたことがあった？　いや、大したことはしていません。東名高速道路の下り車線、川崎の東京料金所付近を走っていたとき、渋滞していて何かな、と思ったら、小さいハコバンが路肩に横転して見物渋滞が起きていたんですよ。それで、すぐにセルシオを路肩に止めて、ハコバンの中で動けなくなっていた30～40代ぐらいの男性を抱きかかえて外へ出して、1月だったから自分の車に積んでいた毛布を貸して……。何かあった時のために、と毛布を詰めたクッションを積んでいたのが役に立ちました。51歳のときですね。