那須川天心が1対3対決を逆提案 受けて立つのは榊原CEO!? 「一寸先はハプニング」のRIZIN劇場開幕

6・13「RIZIN.28」(東京ドーム)の会見が1日、都内ホテルで行われ、追加カード4試合が発表となった。

RIZINの榊原信行CEO【写真:ENCOUNT編集部】
RIZINの榊原信行CEO【写真:ENCOUNT編集部】

アントニオ猪木VSはぐれ国際軍団による1対3変則マッチほうふつ

 6・13「RIZIN.28」(東京ドーム)の会見が1日、都内ホテルで行われ、追加カード4試合が発表となった。

 それぞれ、齋藤裕VSヴガール・ケラモフ(66キロ契約)、トフィック・ムサエフVSホベルト・サトシ・ソウザ(71キロ契約)による初代ライト級王座決定戦、シビサイ頌真VSスダリオ剛(120キロ契約)、“ブラックパンサー”ベイノアVS弥益ドミネーター聡志(73キロ契約)になる。

 もちろん、それぞれが見どころのあるカードだが、このカード発表が行われるまでの間、実に冒頭の約30分をかけて、榊原CEOがこれまでの事情を説明する。

1)当初、那須川天心VS武尊を6月13日の東京ドームで調整していたが、あらかじめ決まっていた双方の試合の結果と体調、さらに「緊急事態宣言」が延長され続け、二転三転せざるをえない状況にあること
2)18年ぶりに扉が開くドーム大会への思い
3)当日、地上波での中継がフジテレビにより午後8時から9時54分までゴールデンタイム中継されること(生中継延長対応あり)と事前番組についての概要
4)スカパーによる完全生中継、RIZINライブによる生配信について
5)開場時間の変更(午後3時半開始で9時には終了予定)
6)ルール変更の説明(今回から全試合ヒジありルールに)
7)RIZINガールオーディションの概要
8)RIZIN公式のTikTokを立ち上げる準備段階にある話
9)これまで緑色だった公式グローブを、JAPANグランプリでは特別にYogiboのロゴの入った赤い色の特設グローブを採用する
10)ウェブショップのリニューアルオープンの説明

 この後に4カードが発表され、それぞれが思い思いの心境を吐露していく。

 中でもムサエフとケラモフはすでに来日を済ませ、13日の本番に向け、それぞれが準備をしながら、各々の個室で完全隔離中だという。

 興味深いのは会見が終わって、集合写真などの撮影を終えた後、今大会への出場を予定していながら、対戦相手が決まらずにいた那須川天心が、自身のSNSを更新したことだろう。天心いわく、東京ドームの自身の試合について「3分3Rで1Rごとに相手選手が変わる」を提案したのだ。

 これを受けて榊原CEOは「可及的速やかに」事実を把握することを宣言。こうなると、いみじくもRIZINと天心の両者によって裏表によるRIZIN劇場が展開された格好。

 とはいえ、仮に天心の提案が実現して、1日に1対3の試合が実現すれば、1980年代に行われ話題を呼んだ、アントニオ猪木VSはぐれ国際軍団による1対3変則マッチをほうふつとさせる話題になることは間違いない。

 考えれば今回のドーム大会は、勝負論のあるカードはそれなりにラインアップされているものの、いわゆる世間を意識したような話題性のあるカードが組まれていない。それは当然のことながら、コロナ禍でそれどころではない面もあるが、「緊急性がない緊急事態宣言」(榊原CEO)にほんろうされた結果とも言える。

 それでも見方を変えれば、本番まで2週間を切った段階ではあるものの、この段階でサクッと付け焼き刃的なワンマッチを発表されるよりは、最後までハプニング性のあるカード編成になっていくほうが面白みがあるとも言える。

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