“悪夢の戦犯”KENTAが新章のメインもバッドエンドに 新日本大田区大会を振り返る

新日本プロレスが史上初の東京ドーム2連戦を敢行。2日間合わせて7万71人(4万8人&3万63人)の大観衆を動員した。恒例の1・4(イッテンヨン)に続き、今年は1・5(イッテンゴ)がドームプロレスに新たなる歴史を刻み込んだことになる。

リング上からファンを罵倒するKENTA【写真:山口比佐夫】
リング上からファンを罵倒するKENTA【写真:山口比佐夫】

誰もが描いたハッピーエンドを粉々に砕いたKENTAの暴挙

 新日本プロレスが史上初の東京ドーム2連戦を敢行。2日間合わせて7万71人(4万8人&3万63人)の大観衆を動員した。恒例の1月4日(イッテンヨン)に続き、今年は1月5日(イッテンゴ)がドームプロレスに新たなる歴史を刻み込んだことになる。

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 2DAYSにおける最大の注目はやはり、IWGPヘビー級選手権とIWGPインターコンチネンタル(IC)選手権のダブルタイトルマッチだった。初日にオカダ・カズチカVS飯伏幸太のIWGPヘビー級王座戦、ジェイ・ホワイトVS内藤哲也のIC王座戦をおこない、それぞれの勝者がお互いのベルトを懸け、イッテンゴで2冠戦をおこなうという仕組みだ。

 ここでもっとも不利なポジションにいると思われたのが内藤だった。というのも、オカダはIWGP王者で、ジェイはIC王者、飯伏は昨年度G1クライマックスの覇者である。もともと史上初の2冠王になる目標を最初に口にしたのが内藤だった。が、事態は進まず、飯伏がG1を制してはじめてダブルタイトル戦が急速に現実味を帯びることになる。

 とはいえ、無冠のハンディを克服し最後に2本のベルトを巻いたのは「逆転の内藤」だった。内藤は2年前の東京ドームで初めてメインに出場。しかしIWGP王者オカダに敗れ「ドームのメインは勝てばもっと気持ちいいぞ!」と屈辱の言葉を浴びせられた。そのリベンジを果たし、最高に気持ちいい景色を見ること、見せることをついに現実のものにしたのである。巨大なドームのエンディングでユニット名を大合唱することこそ、内藤とロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン支持者の悲願だったのだ。

「ノソトロス!ロス・インゴベルナブレーーース・デ…」

 ドームが最高のハッピーエンディングを迎えようとしたまさにその瞬間、疾風のごとくリングに駆け込みマイクアピールをカット、2冠王を襲撃した男がいた。KENTAである。KENTAはこの日、後藤洋央紀に敗れNEVER無差別級王座を失っていた。敗戦後、KENTAは「こっからじゃないかな、オレの真価が問われるのは。どんどん次の仕掛け、していくから」とバックステージでコメント。それがこんなにも早く実行され、しかもこの暴挙とは…。大ブーイングに包まれたドーム史上最大のバッドエンディング。結局、内藤は大会を締めることなく、花道を凱旋することもなく退場した…。

 新日本はここ数年、ドーム大会翌日の後楽園大会開催が恒例だった。それが今年に関してはドーム2連戦となり、翌日に大田区総合体育館大会を開催するという、さらなるスケールアップをやってみせた。過去にはイッテンゴ後楽園でAJスタイルズがバレットクラブから追放されたり(16年)、鈴木軍が大挙乱入し新日本に宣戦布告(17年)、また帰国したはずのクリス・ジェリコが姿を現わし内藤を襲撃する(18年)など、ビッグサプライズ発生の歴史がある。それだけに6日大田区もなにかが起こるのではないかと思われた。が、今回はドーム2日目のエンディングに前倒し。これだけは誰も予想できなかったに違いない。イッテンゴのジンクスは生きていたのである。

 ドームでの衝撃を受ける形で、6日大田区大会は開催された。全カードは当日発表。獣神サンダー・ライガーの引退セレモニーがオープニングでおこなわれ、ライガーが31年のプロレス人生に幕を引いた(素顔時代を入れると36年)。最後は棚橋の音頭により会場全体でテーマ曲「怒りの獣神」を大合唱。その大合唱はメインで一転、大ブーイングに取って代わることとなる。というのも前日のバッドエンドを引き出したKENTAがメインに登場。ジェイとのタッグで内藤&SANADA組と対戦したのだ。

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