偉大な父・橋本真也さんのガウンは重荷なのかそれとも 破壊王二世がついに決断【vol.43】
橋本真也さんが愛用していた「破壊王ガウン」を、二世・橋本大地が伝承するのか? プロレスリングZERO1・20周年記念イヤーシリーズ「新世紀創造」(5月30日、東京・後楽園ホール)大会に注目が集まっている。
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橋本真也さんが愛用していた「破壊王ガウン」を、二世・橋本大地が伝承するのか?
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プロレスリングZERO1・20周年記念イヤーシリーズ「新世紀創造」(5月30日、東京・後楽園ホール)大会に注目が集まっている。
発端は3・16東京・新木場大会だった。大地とのコンビで勝利した大谷晋二郎が、ZERO1が保管していた真也さんのガウンを、大地に手渡したのだ。
ZERO1は真也さんが2000年に立ち上げた団体で、大谷は真也さんとともに新日本プロレスから移籍した。いわば真也さんの右腕だった。05年に真也さんが亡くなってから、何度も苦境に陥ったが、ZERO1の看板を守り続けている。
大地は11年にZERO1でデビュー。その後、IGFを経て16年に大日本プロレス入りした。
今年はZERO1設立20周年であり、大地のデビュー10周年。大谷は満を持して「10年頑張ってきたおまえに、渡したいものがある」と、真也さん愛用のガウンを大地に託した。
大地は「僕はこれ(ガウン)から逃げていた。自分の好きなように試合をしてこられたのも『父が何て言うか』から、目を背けてきたから。これをもらってしまうと、志というか意識を、もっとちゃんと持たなくてはいけなくなるのでは……」と複雑な思いを明かしている。
闘魂三銃士として、破壊王として、一時代を築き上げ、頂点に立ったまま急死してしまった父の存在は、大地にとってもやはり大きかった。いや、重すぎたのかもしれない。だが決して、避けては通れない。
オールドファンは、どうしても父・真也さんと比べてしまう。「比較するな」というのは、無理な話。だがその分、大地はデビュー戦から注目され、他の新人レスラーでは経験できないビッグマッチや大舞台も用意された。恵まれた環境と言えるが「親の七光り」を指摘する厳しい目もあるのも確か。「お父さんなら、もっとこういう試合だったのに……」という期待の大きさに重圧を感じていたことだろう。
とはいえ、ここ最近の大地の充実ぶりは素晴らしい。出で立ちもファイトも、大地らしさに加えて、真也さんの面影を感じさせるようになっている。偉大な父と比べられることを避けているようにも見えるが、良くも悪くも二世の運命からは逃げられない。
大地が「破壊王二世」の金看板を背負う覚悟を決めたのか、それともあくまで「父は父。自分は自分」と、レスラー「橋本大地」を貫き通すのか。ガウンの着用でファンに伝えるつもりだろう。