棚橋弘至 立ちはだかった”ジェリコの壁” ファンは認めないエースの落日

これまで数々の逆境を乗り越えてきた棚橋の巻き返しはこれから【写真:山口比佐夫】
これまで数々の逆境を乗り越えてきた棚橋の巻き返しはこれから【写真:山口比佐夫】

俺ならまだできるという変な自信はあります

 棚橋の2020年は苦痛からスタートした。かつて”太陽の天才児”と呼ばれたプロレス界最高のエースの浮上のきっかけはどこから始まるだろうか。AEW王者ジェリコはアメリカを主戦場にしているだけに、リベンジへの道は長い道程になりそうだ。
 
 棚橋がイッテンゴで勝利し、「愛してまーす!」の大合唱をしたいと会場の誰もが望んでいた。それは棚橋が敗北した時に起こった観衆のため息が物語っていた。「棚橋、ジェリコに敗北」の悪夢を払拭するには、棚橋自身がジェリコにリベンジをするしかない。ジェリコに勝利し、落日から一転、明るく昇る太陽と共に喜びを分かち合える日をファンは待ち望んでいる。

 試合後に棚橋は次のようなコメントを残した。「言葉もないです。悔しいです。ジェリコに勝って、スタートダッシュを決めるイメージしかなかったので、何も思い浮かばないです。2020年、どういう年になるかわからないけど、上がっていけばいいだけの話だから。必ず、ここから一段一段。逆エビをくらって、独特のキツさ、息ができない、腰がつまるような…若いころを思い出しましたね。21年目、気持ちはデビューした時と変わってないつもりだから。始めるのに早いも遅いもないでしょう。ここからでしょう。今はそう言っておきます。(ジェリコについて)本当にああいうタイプは初めて。独特のリズム。ああ、世界広いな、こういう選手もいるんだというのが感想です。今回、色んなものが逃げていったからね。ここから、どうやって今の新日本の戦線に食い込んでいくのか、全くわかりませんが、俺ならまだできるという変な自信はあります。だから、ここで『まだまだ期待してください』と言うと、俺もちょっと心配だから、まだ少し棚橋に期待しておいてくださいよ」

「WRESTLE KINGDOM 14」第7試合 60分1本勝負
スペシャルシングルマッチ
○クリス・ジェリコ
(22分24秒 ウォールズ・オブ・ジェリコ)
×棚橋弘至

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