役者志望で上京、異色経歴のeスポーツ選手の思い「『しょせんゲームだろ』と思われたくない」

プロリーグでもキレのあるポーズや動きで“盛り上げ役”となっている【写真:ENCOUNT編集部】
プロリーグでもキレのあるポーズや動きで“盛り上げ役”となっている【写真:ENCOUNT編集部】

「役者もシャドウバースも、プロという意味では同じ」

 地道な下積みに黙々と取り組み、夢をつかむ。ありきたりな言葉にも聞こえるかもしれないが、実行するのは簡単なことではない。そして、バーサがかつて志していた役者の道にも通ずるところがある。

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「役者もシャドウバースも、プロという意味では同じです。周囲からプロとして一人前に見られなければ、入ったとしてもやっていけないと思います。プロでなければ『入って頑張ろう』となるかもしれませんが、プロである以上、自分が入ることによって周りに迷惑がかかるかもしれない。自分の中で区切りを付けたいという思いがありました」

 さらに、演者として人前に立つということへの意識も、現在のプロ選手としての活動に生かされている。プロリーグ中継でのインタビューやYouTubeに投稿する動画では、バーサはユニークなキャラクターで知られているが、「自分の中でキャラクターを作り出して演じるという感じ」と明かす。その根底にあるのは、自らが憧れて目指し、誇りを持つ“プロ”の価値を高めたいという思いだ。

「自分自身、“バーサ”を知ってもらう機会をもっと増やしたい。それがシャドウバースやプロリーグを盛り上げることにもつながると思っています。

 プロ選手の価値を上げたいんですよね。自分の職業の価値を上げて、憧れの対象にしたい。日本でのプロゲーマーの立ち位置をもっと上げたいですし、それは自分にも返ってくると思います。自分のためというのもありますし、eスポーツ選手という職業がもっと日本に浸透してほしいと強く感じます。すごく面白い職業ですし、簡単に『ダメな職業だ』『しょせんゲームだろ』と思われたくはないと思っています」

 役者を目指して身に付けた表現力を生かし、バーサはどのように“eスポーツ選手の価値向上”に寄与していくのか。F・マリノスの一員として迎える新シーズン、チームの勝利への貢献はもちろん、さまざまな形での活躍に期待したい。

□バーサ/1998年11月17日、山口県生まれ。福岡ソフトバンクホークスゲーミング「シャドウバース」部門に2019年の発足当初から2年間所属し、2020-21シーズンはリーグ優勝に貢献した。今シーズンから横浜F・マリノスeスポーツに移籍。「2Pick」フォーマットを担当する。
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