「奇跡のようなイベント」となったくまもと復興映画祭 2年連続客入れ開催実現のワケ

「えがおPRESENTS くまもと復興映画祭2021」が4月中旬、熊本市・熊本城ホールで3日間開催された。先日、腎臓機能障害で緊急入院した佐野史郎さんも、元気な姿を見せていた。コロナ禍で3度目の緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が敷かれた今になってみると、奇跡のようなイベントで、コロナ禍と映画の関係を考えさせられた。

奈緒がオンラインで参加した「彼女来来」【写真:ENCOUNT編集部】
奈緒がオンラインで参加した「彼女来来」【写真:ENCOUNT編集部】

「観客を入れた映画祭を開催したい」

「えがおPRESENTS くまもと復興映画祭2021」が4月中旬、熊本市・熊本城ホールで3日間開催された。先日、腎臓機能障害で緊急入院した佐野史郎さんも、元気な姿を見せていた。コロナ禍で3度目の緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が敷かれた今になってみると、奇跡のようなイベントで、コロナ禍と映画の関係を考えさせられた。

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 新型コロナウイルスのパンデミックから1年以上が経過した。1度目の緊急事態宣言が発令された昨年4月以降、映画祭は軒並み、中止かオンラインに切り替わった。そんな中で、2度も対面式の映画祭を行ってきたのが「くまもと復興映画祭」だ。

 風光明媚(めいび)な自然と温泉地で知られる菊池市で開催した「菊池映画祭」が前身。2016年4月の熊本地震を機に、17年以降は菊池市と熊本市内の2つを会場とし、地震の時期に合わせて毎年4月に開催。昨年は緊急事態宣言下と重なったため、10月に延期したが、熊本県出身の映画監督、行定勲氏には今年4月は例年通り、観客を入れた映画祭を開催したいとの強い思いがあった。

 年1回の映画祭は1年をかけて、作品選びからゲストのキャスティング、実際の運営まで行うが、今年は準備期間わずか6か月。しかも、スタッフは少数精鋭。どんな現場でも機動力を発揮し、時に粘り強く対応する行定組のチームワークが生かされた形だ。

 作品も充実のラインアップだった。熊本地震の3日間を描いた「いっちょんすかん」、成田凌、若葉竜也ら若手実力派が集まった青春群像劇「くれなずめ」(松居大悟監督、近日公開)を始め計10本。山中貞雄監督の名作「丹下左膳 餘話(よわ) 百萬両の壷」(1935年)、佐野史郎のデビュー作「夢見るように眠りたい」(1986年)のデジタルリストア版から、東京でも映画祭だけでしか上映されていない作品も多い。

 新作、旧作問わず、面白く、さすがは目利きの行定勲セレクト。しかも、映画の上映前後には、行定氏が映画の見どころを分かりやすく解説してくれるので、映画をより面白く見ることができる。映画の鑑賞券も1本ずつではなく、1日券として売っているので、お目当ての映画以外にも、意外な“みっけもの”もあるのだ。

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