日本の幸福度56位のなぜ フィンランド大使館職員のライターが語る本当の理由

“森と湖の国”フィンランドは自然がいっぱい【写真提供:Visit Finland】
“森と湖の国”フィンランドは自然がいっぱい【写真提供:Visit Finland】

日本人の幸福度を上げるためにオススメなこと

 聞けば聞くほど日本とフィンランドは違う。両方の国をよく知る堀内さんは、日本人はもっとどうすれば幸福度が上がると考えているのだろうか。

「そもそもフィンランド人はほどほどで幸せを感じ、日本人は高みを求めすぎではないか、と思いますが(笑)、日本人はもっと異文化の国へ飛び出していき、多様な価値観に触れると良いのかな、と思いますね。私も留学して実感しましたが、いろんな人と知り合っていろんな価値観、生活様式に触れると、いかに自分が“こうでなければならない”という考え方に縛られていたかに気付かされます。それに気付くと考え方や生き方の自由度が増し、自分と周りを比べ過ぎず、違う考え方や生き方をしている人たちを受け入れる寛容さも出てくると思います」

 コロナの今は、本やテレビなどで違う世界を知るだけでも良いのでは、という。ボランティアなどで社会活動に参加してみることも役立ちそうだ。

「地域の活動やPTA、NPO、NGOの活動に参加することで、自分はこの社会の一員なんだ、という意識が芽生え幸せにつながります。日本人は仕事で忙しく時間がなくて社会参加しにくいかと思いますが、フィンランド人は仕事以外の顔を持つこと――ワークライフバランスも大事にし、それが仕事に生きてくる、とも考えています。自分が参加している社会だからこそ、より良くしようという気持ちや責任感が生まれ、自分も参加して作っている社会だからこそ信頼感も生まれるのではないでしょうか」

なるほど……。

「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」(ポプラ社)
「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」(ポプラ社)

フィンランド人を幸せにするサウナの恩恵

 ところで、日本では近年、サウナを題材に描いた漫画「マンガ サ道~マンガで読むサウナ道~」がドラマ化されるなどサウナ人気が上昇している。サウナ発祥地であるフィンランドの人たちの幸福度に、サウナは貢献しているのだろうか。

「していると思いますよ! 伝統的に土曜日は“サウナの日”で、家族で入ったり友達と入ったりして、フィンランド人の9割以上が週1回以上サウナを楽しんでいます。リラックスできますし、サウナに入っている間は携帯などから解放されデジタルデトックスにもなりますからね。一般的な日本のサウナとの違いは、フィンランドのサウナは熱い石に水をかけて蒸気で蒸すので湿度が高い。そして暗いので、基本、裸で入ります。慣れれば恥ずかしくないですよ。職場にあることも珍しくなく、サウナで非公式な会議が開かれることもあります。サウナは社交の場なんです」

 ちなみに、フィンランド大使館にもサウナが2つある。1つは大使が自身やVIP接待などに使い、もう1つは職員が利用するサウナだ。月1回、“飲み会”ならぬ“サウナ交流会”があり職員や関係者とのコミュニケーションの場として利用されているそうだ。

□堀内都喜子(ほりうち・ときこ)長野県生まれ。大東文化大学国際関係学部卒業後、日本語教師などを経て2000年、フィンランド留学。ユヴァスキュラ大学大学院で異文化コミュニケーションを学び修士号取得。05年に帰国後、東京都内のフィンランド系大手製紙機械メーカー勤務を経て、13年からフィンランド大使館広報部勤務。20年1月、「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」(ポプラ社)上梓。

次のページへ (4/4) 【写真】フィンランド大使館にある大使が利用するサウナの実際の写真
1 2 3 4
あなたの“気になる”を教えてください