私のドラゴン殺法を見てください 世界中に発信する東京女子プロレス王者の覚悟

東京女子プロレスの頂点に立つプリンセス・オブ・プリンセス王者・辰巳リカは、団体を、プロレス界全体を、そして何よりファンを大切にする、まさにプリンセスだった。

大きくジャンプする辰巳リカ。王者としてのプライドに満ち満ちている【写真:柴田惣一】
大きくジャンプする辰巳リカ。王者としてのプライドに満ち満ちている【写真:柴田惣一】

1世紀プランを描く辰巳、「129歳までやります」と冗談交じりに宣言

 東京女子プロレスの頂点に立つプリンセス・オブ・プリンセス王者・辰巳リカは、団体を、プロレス界全体を、そして何よりファンを大切にする、まさにプリンセスだった。

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 辰巳は4・17後楽園ホール大会で伊藤麻希の挑戦を受けV2戦に臨む。1・4後楽園ホール大会でベルトを獲得して以来「トップの役割」を考え続け実践。試合はもとより、練習でも、私生活でも「東京女子」の看板を大切にし、ファンを第一とする王者の振る舞いにこだわっている。

 王座に就いてみないと分からない想い、見えない光景があるという。それは男子でも女子でも変わらない。「自分一人が満足するだけではなく、団体としてどうなのか? ファンの想いに応えられているのか? 考え出したら、しょっちゅう堂々巡りになってしまう。うまくいけば達成感もあるし、やりがいはあるけど、まあ大変」と、何人ものチャンピオンに聞いた。

 辰巳もプレッシャーはあるはずだが、落ち着いている。伊藤は海外遠征で中指を立てるなど、いささか怖い者知らず。今回も「私が東京女子を東京ドームに連れていく。私が先頭に立たなければ無理な話」と、辰巳の神経を逆なでしている。

 それでも辰巳は「一人よがりな伊藤ちゃんに、誰が付いていくのですか。私はみんなで切磋琢磨して、みんなで大きな会場に行きたい」と落ち着いたもの。「私、結構タフです」と笑う表情は、芯の強さを感じさせる。

 メジャーデビューが決まっていた音楽ユニットから脱退。さまざまな事情があったものの「この生き方は私の本当の夢じゃない」と決断したというから、芯の強さは筋金入り。加えて、レスラー転身後に何度も襲われたケガが、ますます辰巳を強くした。

 欠場中に包帯を巻いたまま、セコンドを務める日々。一年以上、リングに上がれないこともあった。それでも「辞めたい」とは一度も考えなかった。「ケガでタフになったのかも」と、またまたニッコリ。

 タフな辰巳が選んだイメージカラーは「白」。白さがまぶしいコスチュームからは、何色にも染まる自信がみなぎっている。どんなタイプの選手と当たっても、王者らしく相手をがっちりと受け止め、切り返す。横綱相撲こそチャンピオンである。

「ホワイト・ドラゴン」と呼ばれている。白いドラゴン。辰巳は「本家ドラゴン」藤波辰爾が改名する前の名前だ。実は高木三四郎社長がおニャン子クラブの女性歌手・立見里歌からフィーチャーしたのだが「藤波さんの本家ドラゴン殺法には憧れます。私がドラゴン・ボンバーズを名乗った時期には、藤波さんは苦笑いされていたそうですが」と、文字通り苦笑い。ドラゴン・スリーパーなど、ドラゴンと名の付く技を多用している。

 辰巳流の「ドラゴン革命」も計画済みだ。1回目の革命はベルト奪取ですでに実現。2回目は東京女子にある3タイトルを総なめにして同時戴冠。革命の総仕上げは世界の女子プロレス界、いや男子も含めた世界のプロレス界の天辺に昇り詰めること。

 さらに人生100年時代を迎え、1世紀プランを描いている。29歳で東京女子の頂点に立ったが、同世代はもちろん、年上の人たち、年下の面々の夢も実現させたいという。人類皆兄弟ならぬ「人類皆夢実現」が、辰巳の夢なのだ。

「129歳までやります」と冗談交じりに宣言する辰巳。辰巳流ドラゴン革命はまだまだ始まったばかり。期待が膨らむ。

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