コロナで困窮…外国人女性からのDV相談4倍に 日本人夫が脅迫「オレがビザを与えている」

レガートおおたの公式ホームページ 多言語高校入学ガイダンスも実施
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中華料理店の中国人調理師がラーメン店に転職できない理由

――飲食店に勤めている在留外国人固有の困難とは?

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「中華料理店のコックだった中国の方が日本料理店に転職することはできません。業態が似ているラーメン店への転職もできません。それは中華料理の調理師として在留許可を得ているからです。転職する際は資格の範囲内の業務でなければ就労できません。また、失職したら3か月以内に転職先を見つけないと日本にいられなくなるリスクにつながります。このため中華料理店のコックは休業を命じられて給与が支給されなくなってもオーナーには抗議しづらいのが実情です」

――在留外国人に対する大田区の情報提供の取り組みを教えてください。

「大田区公式ツイッターで在留外国人向けに情報を提供する、行政文書を多言語化する、などがあります。また、国際都市おおた協会のウェブサイトには、外国籍住民向けの情報が多言語でまとめられています。しかし外国籍の方の中には生活文化の違いから、区役所からのお知らせをこまめにチェックしない方もいるので、必要な情報が行き渡っていない可能性があります」

――DV被害は在留資格が絡むだけに深刻ですね。

「特にDV相談の場合、受けている暴力の影響で自尊心が失われ、判断力が低下している状態の人が多い。このためDV相談窓口に自ら出向くのはハードルが高いのです。同国人女性に相談したり、子どもを通わせている保育所、学校の先生、近所の人が被害に気付くこともあります。周囲の日本人は、孤立しやすい外国籍の母子に目を向けていただき、多言語相談窓口をはじめ、国や自治体の多言語対応可能な相談窓口をぜひ案内してほしいです。レガートおおたでは、DV相談の方をはじめ、同行が必要な方のために、警察、法律事務所、入管などへの同行支援を行っています。外国籍の方も安心して暮らせる地域社会作りのために今後も活動していきます」

※「一般社団法人レガートおおた」
東京・大田区内で活動する国際交流団体のメンバーが立ち上げに携わり2010年3月に設立。地域に暮らす外国籍住民とともに、対等で差別のない地域社会作りを目指している。国際都市おおた協会から多言語相談窓口などの運営を受託したり、税務署や入国管理局、弁護士事務所、病院などへの通訳者の派遣、外国人児童への日本語指導、学習支援、生活相談、同行支援などを行っている。「レガート」とはイタリア語で「滑らかに続けて演奏する」という意味の音楽用語。

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