【オヤジの仕事】朝ドラ「おちょやん」語りの桂吉弥が語る「おちょやん」裏話と養護学校教員の父の話
逆境に負けず明るくたくましいヒロイン・千代に共感し、NHK連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月~土曜、午前8時)を毎朝、楽しみに見ている視聴者も少なくないだろう。千代とダメダメな父・テルヲとの葛藤にはとくに胸が痛んだ。そんな千代に温かい“お父さん目線”を送っているのが、語り(黒衣)を務める落語家・桂吉弥さん(50)だ。吉弥さんに「おちょやん」裏話をはじめ、吉弥さんの父親や、父親としての吉弥さんの話を聞いてみた。
「おちょやん」ナレーションは特殊で何度も…
逆境に負けず明るくたくましいヒロイン・千代に共感し、NHK連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月~土曜、午前8時)を毎朝、楽しみに見ている視聴者も少なくないだろう。千代とダメダメな父・テルヲとの葛藤にはとくに胸が痛んだ。そんな千代に温かい“お父さん目線”を送っているのが、語り(黒衣)を務める落語家・桂吉弥さん(50)だ。吉弥さんに「おちょやん」裏話をはじめ、吉弥さんの父親や、父親としての吉弥さんの話を聞いてみた。
「おちょやん」の語りは特殊で、ドラマの中の千代ちゃんと突っ込んだり突っ込まれたりの掛け合いをやったりしているので、ト書きを読んで終わり、みたいな通常の段取りじゃありません。月曜から金曜放送の本編は、台本が上がってきた段階で仮ナレーションを録って、撮影して粗編集したものにその仮ナレーションを載っけてみて修正を入れて、さらに音を入れて編集もバッチリやった後、本ナレーションを入れてるんです。
土曜日の総集編はまた別のスタジオへ行きます。こんなふうに丁寧な作り方をしてくれているので、NHKとかのスタジオへはメチャメチャ通っていますね。普通のナレーションじゃ寂しい、「おちょやん」に関わりたいという僕の気持ちを、脚本家がうまくくみ取って書いてくれているんですよ。
第1話みたいに、僕が出演してお芝居する最終回は、3月末で撮り終わりました。これから終盤に向けての展開を楽しみに観ていただきたいです。僕の語りがお父さん目線で温かい? そう観てくれているならうれしいですねぇ。テルヲは最後こそ泣かせてくれましたけど、やっぱりとんでもない父親でしたから……!
父親は養護学校の先生だった
もちろん、僕のオヤジはテルヲとは全然違います。僕の父親(新保正秋さん、76)は養護学校、今でいう特別支援学校の教員で、夏休みは生徒たちを連れてプールに行ったりして、子どもらと一緒によく遊んでいる先生でした。僕も一緒にプールに入ったりしていました。
母親は中学校の国語の教師やったんで帰りが遅くて、帰ってきても「○○が補導された」って連絡が来て、また出かけたりしてましたから、いつも定時に早う帰るオヤジが晩メシを作ってました。キュウリの天ぷらとかおいしくない料理もありましたけど、まぁ面白い人やったんです(笑)。酒は弱いので晩酌するんじゃなくて、家族みんなで白ご飯とおかずを食べ、ご飯の後は家族で仲良くトランプするっていうような健全な家でした。
オヤジもオカンも教員でも、真面目で四角四面な先生というより、オヤジはPTAに関わったり、親戚の法事を企画したりするリーダータイプ。オカンもリーゼントや金髪にしたりしてる子らのリーダーみたいな感じで、その子らがウチに遊びにも来てましたから、ウチは課外活動を家の中でもやってる、みたいな家庭でしたね。