馬場さんの王道はどう進化するのか 新時代の全日本プロレスに注目

石川修司(右)と葛西純のラダー上の殴り合い【撮影:柴田惣一】
石川修司(右)と葛西純のラダー上の殴り合い【撮影:柴田惣一】

軍団再編でスターが飛び出すチャンスも

「最高男」宮原健斗とのコンビで世界タッグ王座を保持する青柳優馬。「ざまーみろ」と陰湿キャラを打ち出したものの、一時は口に出さなくなっていたが、ここにきて再びゼウスのファンに向け吐きかけた。

 怪奇派とも悪党とも違う、ベタッとまとわりつくような陰湿さは前代未聞。相対的に宮原の明るさも際立つ。陰陽理論ではないが、お互いの個性を引き出し合う稀有なタッグチームと言える。シングル王座にも触手を伸ばす青柳の陰湿キャラは、果たして吉と出るか凶と出るか。徹底的に陰湿を極めてほしい。今後も大いに注目される。

 全日本軍団は、他にもTAJIRIら個性あふれるメンバーがそろっている。スーパーヘビー級戦士がそろい「リング上を見てくれ」と、馬場イズムを前面に押し出してきた全日本が、ここにきてベクトルの向きを変えてきた。

「素材は良いは味付けが……」という声もあった昨今の全日本だが、それぞれが積極的に自己プロデュースを始めたのだ。

 選手の質は高く層も厚い。軍団再編もあり新たなスターが一気に飛び出すチャンスもある。「令和の王道」を打ち出した全日本プロレスから目が離せない。

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