馬場さんの王道はどう進化するのか 新時代の全日本プロレスに注目

全日本プロレスの「改革」が進んでいる。主力選手から若手まで、新たなチャレンジに積極的に取り組んでいる。

石川修司(左)と葛西純の壮絶なデスマッチ【撮影:柴田惣一】
石川修司(左)と葛西純の壮絶なデスマッチ【撮影:柴田惣一】

ジェイク・リーは180度転身で黒いコスチュームに“変身”

 全日本プロレスの「改革」が進んでいる。主力選手から若手まで、新たなチャレンジに積極的に取り組んでいる。

 3・18東京・新木場大会で「大巨人」石川修司が覚悟の白装束で「狂道」葛西純に挑み、血だるまになりながらもGAORA TV王座を奪取した。

 全日本マットでのデスマッチ、ワンマッチ興行……異例続きとあって決戦前には批判の声も上がっていたが、2人の熱い想いがほとばしった闘いに、試合後は礼賛する意見が圧倒した。

 この一戦限りで、全日本マットでのデスマッチ封印を表明した石川だが、全日本ファンに一石を投じたことは間違いない。リスクを恐れずに、想いを実行してみる。「プロレスの力」を感じた人も多かったはず。

「暴走専務」に復権した3冠王・諏訪魔。経営に携わることで、視野が広がり、レスラーとしてもまた一回り大きくなれる。女子部の設立も着々と進んでおり、新たな時代にふさわしい「令和の王道」の在り方を模索している。

 3・21京都大会では「王道ストロングスタイル」を掲げたヨシタツの挑戦を退け、3冠V7を飾った。全日本一筋で、誰よりも全日本愛を自負する諏訪魔の手腕に期待が高まる。

 新たな軍団「TOTALECLIPSE(皆既日食)」を結成したジェイク・リーも、新たな一歩を踏み出した。イケメン、長身、紳士的な物腰…全くスキのない正統派エースを目指していると思いきや、180度の転身。黒いコスチュームに変身してしまった。

「月は自分で光っているのではなく、太陽の光が反射している。太陽が色濃くなるほど俺らの存在も濃くなっていく」とチーム名を解説するジェイク。「正義が勝つのではなく、勝った者が正義。俺たちはもっと上を目指す」と、高々と右手を突き上げ天を見上げる。

 悪くてクールで格好いい。新生ジェイクが全日本マットだけでなく、日本プロレス界に一大旋風を巻き起こすことになりそうだ。

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