「ふたり酒」「二輪草」などのヒット曲をもつ歌手・川中美幸さん（65）。夫婦愛を歌ったしっとり演歌のイメージが強いが、意外にアクティブな面をもつようで車が大好きだという。川中さんが乗っている車は？　どんな乗り方をしているのか？　歌番組収録後の着物姿の川中さんに聞いた。

　今の車はトヨタのハイブリッド車・アルファードです。ボディーの色は「どうせなら今まで乗ってない色を」とえんじ色（ダークレッドマイカメタリック）、内装は黒です。乗って1年ちょっとになりますね。ここのところずっとアルファード、その前は日産のエルグランド。荷物が多いし同乗者も多いので、ミニバンが使い勝手がいいんです。コンサートツアーで3～4時間で行ける静岡ぐらいなら、新幹線じゃなく車で行くことが多いですしね。

　天井が高く、座席が深く沈まないのも快適。座席が深いと腰がつらいし、着物を着て乗ったときに帯がお腹に食い込んで苦しいから。ミニバンは乗り心地がすごく楽なので、楽屋に人が多いときは楽屋代わりにすることもありますね。

　ただ、運転はお仕事のときは自分でしません。何かあったらご迷惑をかけますから、運転は事務所の人におまかせで、私は運転席の後ろに座っています。お仕事に向かうときは、その日に歌う歌を聴いたりしていますね。意外と真面目なんですよ（笑）。それ以外はテレビを見たり、音楽を聴いたり、寝たり……リラックスに努めています。

　アルファードはお仕事用で、プライベートではBMW 118dに乗っています。小さい方が小回りがきくので。このところ、コロナで出かけられないからあまり乗っていなくて、たまに乗ろうとするとバッテリーが上がっちゃったりして（笑）。でも、もともと車も運転も大好きなんです。18歳になったとき、早く車が欲しくて、運転がしたくて、猛反対する父に内緒で新小岩の教習所に通って免許を取りました。

　父は私がまだ幼い頃に交通事故を起こしてしまい、それがきっかけでウチの家族は貧乏のどん底になってすごい苦労したんです。だから、父は心配したんだと思うんですね。「免許を取ったら親子の縁を切る！」って言われて、モノの投げ合いになるほど大げんか（笑）。それでも、私は当時、もう“春日はるみ”の芸名でデビューしていたので、お給料を切り詰めて貯めたお金で教習所に通い、すべて一発合格で取得。いざ、免許を父に見せたら、父は涙ぐんでしみじみと「岐味ちゃん（本名：岐味子）が免許を取る年齢になったんだな」って喜んでくれました。

　そうなると、今度は車がほしくなりますよね（笑）。周りの友達が乗り出したから羨ましくて羨ましくて、「見に行くだけ」なんて言って中古車センターに行ったんです。乗りたかったのは、当時流行っていたトヨタのコロナ・マークII。その中古車センターでは、当時の私の3～4万円のお給料の3倍ぐらいで置いてあったから、「これなら手が届く！」って喜んだんです。でも、よくよく聞いたら、税金や何だで、プラスアルファですごいかかるんですよね。「まだ早いんだな」って断念しました。