テレビ東京は5日、4月編成説明会をオンラインで開き、お笑いコンビ「オードリー」が出演している同局系バラエティー「あちこちオードリー～春日の店あいてますよ？～」（毎週火曜、深夜1時35分）の枠移行を発表した。今月31日から毎週水曜、午後11時6分からの放送となる。

　説明会にVTR出演したメンバーの若林正恭は、枠移行について「いまだに頭が真っ白な状態。何で誰か断ってくれなかったんだろう？　編成の人も見ていると思いますけど」と口にしながらも「こうなった以上、やるしかないと思っているので、5年ぐらい寿命が縮まっても何とかものにしたい」と意欲満々の様子だ。

　春日俊彰は「うすうすは思ってましたけど、やっぱりテレビ東京はヤバイ局だと思いました」と笑わせ、「番組を夜11時台に持ってくるってありがたい話ですけど」と戸惑いを見せた。

　同局の角谷暁子アナウンサーから今後、来てほしいゲストを聞かれると、若林は「同じ時間帯の村上龍さん、（ビート）たけしさん、夢ですけどビッグ3とかダウンタウンさん」。春日は「政治家の方、WBSの流れで経済評論家の方」と人選プランを明かした。

　同番組は事前アンケートなし、打ち合わせなし、のフリートークバラエティー。人に興味があるオードリーの2人が、ゲストの懐に飛び込み意外な素顔を引き出す「日本一油断しちゃう居酒屋」がコンセプト。

　2019年8月3日午後4時に特番第1弾を放送以来、その年の10月から土曜昼、火曜深夜とレギュラー放送。20年10月に開催した番組初のオンラインライブには4万2000人を動員する人気ぶりを見せた。

　枠移行の狙いについて同局総合編成局の大庭竹修編成部長は「23時台は社会人や学生ら日々忙しい人にとっては一息つける非常に見やすい時間と考えている。ゆっくりのんびり気楽に見てもらえるような番組を編成してたくさんの人に見てほしい」と前置きしたうえで、「単純に面白いと思ったのが一番の理由。ゲストの方も力が抜けた状態で“ナメた状態でオードリーと話せる番組”。視聴者も気楽に見られるし、『あちこちオードリー』で話した内容がざわざわして翌日ネットニュースに上がるのでそういうところも期待したい」と語った。

　同番組の佐久間宣行プロデューサーは「最初にこの枠移動を聞いたときは驚きましたし戸惑いました。誰にも期待も興味も持たれない小さなスタートをした番組が、開始わずか1年半で夜11時に行くとは……。しかし同時に必然性も感じました。この番組は今の時代にとても響く番組に育っていると思ったからです。フリートークだからこそこぼれ落ちる“裸の言葉”の数々、そこには名言＆不用意発言がたくさんあります。しかし共通するのは、芸能人もみんな“働いて悩んでる”ということ。だからその言葉に、芸能界に興味がない人も我が事のように響く瞬間があるのだということ。実はこの番組、お仕事トークバラエティーでもあると思っています。時間帯が変わり、さらに幅広い皆さんのお話が聞けるのをとても楽しみにしています」と視聴を呼びかけた。