ミュージカル界のプリンス・山崎育三郎を主役に据え、名手・鈴木おさむが手掛けるドラマスペシャル「殴り愛、炎」（テレビ朝日系）が、4月2日と9日（いずれも午後11時15分）の2週にわたって前後編として放送されることが決まった。

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「奪い愛、冬」（2017年）や「奪い愛、夏」（19年）といったドロキュン劇場シリーズに、「M 愛すべき人がいて」（20年）――。“唯一無二のクレイジー恋愛ドラマ”の脚本を、次々と手掛けてきた鈴木が、またも強烈な作品を放つ。今回の「殴り愛、炎」は、嫉妬、誘惑、復讐、裏切りがテーマ。婚約者を愛し抜く主人公を中心に、いびつな愛の炎に包まれた男女5人の激愛模様を描く。鈴木おさむワールド全開の“吸引力”抜群要素が満載な作品になりそうだ。

　主人公を演じるのは山崎。「この手は人の命を救うためにある」と心に誓う心臓外科のスーパードクターで、過去1度も人を殴ったことがない人格者・明田光男役だ。父が経営する病院に勤務し、次期院長と目される文句なしのエリート。ところが、そんな光男が、自身の婚約者である看護師・豊田秀実が高校時代に思いを寄せていた緒川信彦が入院してきたことで、だんだん豹変していく。秀実を手放したくない一心から、双眼鏡で監視するなど完全ストーカー化し、ついにはライバルに対して“愛の拳”を振り上げるばかりか、想像をはるかに超えたトンデモ行動にまで出てしまう。

　山崎は「光男はスゴい展開で壊れていきますが、その感覚自体はすごく丁寧に作っていくことができました。コミカルさと苦悩……いろんな振り幅が見せられる役なので、今までにない山崎育三郎を見ていただけるかもしれないです。実際、僕自身も新しい自分を発見できて、面白かったです！」と清々しい笑顔で語った。山崎の“新境地”から目が離せない。

　ちなみに、劇中では“ここぞ！”というポイントで、山崎が『Swallowtail Butterfly～あいのうた～』を歌うシーンも。「“光男としての歌唱”という部分でのバランスも考え、歌いました。実は物語の中でキーポイントとなってくる歌ですので、そこも楽しみにしていただきたいです」と、山崎自身も自信をにじませる歌唱シーンにも注目だ。

　そんな山崎演じる光男とともに、要となる恋愛バトルを繰り広げるのが…瀧本美織と市原隼人だ。瀧本は、光男と婚約しながらも高校時代に思いを寄せていた先輩・緒川信彦にひかれていく看護師・豊田秀実を演じる。この“いろんな意味で愛すべきヒロイン”を、「撮影中は今までに言ったことのないようなせりふや、育三郎さんや市原さんのお芝居に刺激を受けると同時に、笑いが止まりませんでした！」という瀧本が、全力で演じる。

　そんな秀実を翻弄する信彦を演じるのが市原。大真面目だからこそタガが外れた男を、市原が真剣芝居で体現。山崎や瀧本も衝撃を受け、市原自身も「シリアスに演じれば演じるほど、どのキャラクターも懸命に生きている様が滑稽な程に面白い。自分自身『ここまでの作品に参加できるようになったのか！』と驚くくらい、振り幅を感じました」と振り返った。

　さらに本作は単純な三角関係だけでは終わらない。別の登場人物が、隙あらば割り込み、物語をかき乱していく。その一人が酒井若菜演じる、光男の幼なじみ・徳重家子。また、光男の母親違いの兄で、弟への嫉妬心を秘めた心療内科医・鈴川倫太を、永井大が演じる。左目を分厚い前髪で隠したインパクト大のビジュアルにも気になるところだ。