【オヤジの仕事】俳優・西岡德馬が4月挙式の娘に贈る言葉 登校拒否、殴られた思い出も「今は笑い話」
「楽しんで、ワクワクしながら生きてほしい」
一番上の娘は、前の奥さんとの間の子で、もう47歳。その子が1、2歳の頃に離れてしまったんですけど、今では行き来していて、下の娘2人も含めて仲良くしています。今の奥さんが偉いんですね。2番目の娘・花織(38)は女優をやっていたんですけど、結婚して今は家庭の主婦。1番上の娘に男の子が2人、花織にも子どもが3人いるから、僕、もう孫が5人いるんですよ(笑)。一番上の孫はもう大学生。やっぱり家族が増えていくのはうれしいですね。
下の娘2人が幼い頃、まだ僕は舞台中心で時間があったから、できる限り子育てを手伝っていましたけど、上の子が小学生のとき、ドラマ「東京ラブストーリー」(フジテレビ系)に出演して急に忙しくなった。夏休みが明けて娘の学校が始まったとき、夏休みの家族の楽しい思い出を作文に書く宿題に、娘が「書けない」って泣いてたんです。忙しくて何もしてあげてなかったから、ドキッとしてね。「これはイカン」と思って、その次の年から約15年間、どんなに忙しくても毎年夏は15日間ほど休暇をもらって、ハワイのカウアイ島とかの海に連れて行ってました。でも、それ以外は毎晩のように飲んで遅く帰ってましたから、娘の寝顔を見るぐらいしかできませんでしたね。
下の娘2人は物心ついた頃から、僕の舞台を必ず見に来ていましたから、自然と役者の仕事に興味をもったんでしょうね。女優に「なれ」とも「なるな」とも一切言わなかったのに、女優になった。僕は、自分が「面白い」と思うことをやればいい、と思ってきました。「勉強しろ」とは言ったことがありません。僕が母親に言われて一番嫌なことだったから。人生、やりたくないことを嫌々やっても意味がないし、心配しても何の役にも立たない。面白いと子どもが思うことを探す手助けをするのが学校の先生、見守るのが親。楽しんで、ワクワクしながら生きてほしいですね。