宮沢氷魚、SNS全盛時代に俳句と向き合って感じたこと「言葉が人を傷つけることもある」

MEN’S NON-NO専属モデルで、俳優の宮沢氷魚がWOWOW「ドラマWスペシャル あんのリリック―桜木杏、俳句はじめてみました―」(2月27日午後9時~放送・配信)に出演する。芸大生リリックライター・桜木杏(広瀬すず)と、俳人でコピーライター・連城昴(宮沢)が織りなす“言葉”をめぐり、熱く魂がぶつかり合う物語。俳優デビュー4年目を迎えた宮沢が目指す姿とは?(取材・文=平辻哲也)

インタビューに応じた宮沢氷魚
インタビューに応じた宮沢氷魚

WOWOW「あんのリリック」出演、俳人でコピーライター役

 MEN’S NON-NO専属モデルで、俳優の宮沢氷魚がWOWOW「ドラマWスペシャル あんのリリック―桜木杏、俳句はじめてみました―」(2月27日午後9時~放送・配信)に出演する。芸大生リリックライター・桜木杏(広瀬すず)と、俳人でコピーライター・連城昴(宮沢)が織りなす“言葉”をめぐり、熱く魂がぶつかり合う物語。俳優デビュー4年目を迎えた宮沢が目指す姿とは?(取材・文=平辻哲也)

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 ドラマは、俳句とラップが紡ぎ出す言葉の世界に魅了された若者たちの青春グラフィティーだ。「話を頂いた時は俳句とラップをどう融合させるのかと思っていたんですけども、軸となる言葉を大切にすれば、伝わるんだと思いました。見る前はイメージできないかもしれませんが、新しい体験ができると思います」と出来栄えには自信を見せる。

 俳句に触れるのは小学生以来。「普段、俳句と向き合うことはないので、自分から積極的に調べました。事前にキャストとスタッフで句会を体験し、僕も実際に詠みました。覚えているのは『銀杏の 匂い嫌えど 嗅ぎにいく』。最初に詠んだ人の名前を明かさないといったルールもあって、奥が深い世界です。SNSが発展し、言葉が身近になっています。その一方、言葉の重みや価値が落ちていて、人を傷つけることもある。改めて言葉に向き合って、その魅力に向き合えればと思いました」

 昨秋、約1か月間、撮影した。広瀬とは初共演。「年下ですが、僕よりもしっかりしていて、まとめていく。普段はおとなしいのに、スイッチが入ると、早口で話す役柄も難なくことなしていました。ラップは初めてだそうですが、とても上手で、ひとつひとつの言葉が心に届いてくる。これはなかなかできないことだと思いました」。ほかにも、上司役の夏川結衣との絡みは見どころだ。

 宮沢が演じたのは、桜木杏の言葉の才能に気づき、俳句の世界へ引き入れるコピーライター、俳人の連城昴役。高校時代に俳句の全国大会で最優秀賞を受賞したこともあるが、今はスランプ状態にある。「昴は悩んで、悩んで自分で答えを探そうというタイプ。僕も、あまり物事を人に相談できないので、近い部分があるなと思いました。仕事やプライベートでスランプになっても、相談できないので、ため込んでしまうタイプです」

 2017年、TBS系ドラマ「コウノドリ」第2シリーズで俳優デビューし、以来、さまざまな役を演じ分け、主演映画「his」ではゲイの青年の心情を居住まいで見せた。スランプは無縁のように思えるが、「いや、しょっちゅうですね。だいたい作品に入ると、1回はどこかで落ち込んだりします。結局、自分に納得いってないんですね」

 それは宮沢が掲げている目標が高いからだろう。「僕がお芝居をやらせてもらったのは23歳でした。始める年齢としては結構高めだと思うんです。役者の中には12歳くらいから始めて、スキルアップして、20歳で大ブレークしている人も多いので、そこに追いつきたいという気持ちがあるんです。『成長しないと』という気持ちが強いからこそ、うまくいってない自分に対して、焦りが出てしまうのかもしれません」。

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