GHC王者・潮崎豪、「ノアを守りたい」胸に刻む三沢光晴さんの魂 武藤敬司との大一番へ決意
中嶋勝彦戦は相手があの男だからやり合えた
――次に聞いてみたいのは、中嶋勝彦戦(昨年11月22日、横浜武道館)の話なんですけど、正直、あの試合は終わった瞬間、もちろん個人的にですけど、年間最高試合だろうと思ったんです。
「(ニヤッと笑う)」
――結局、プロレス大賞には選ばれなかったけど、あの試合は、なんでここまでやるんだろうって見ていて怖くなりました。
「でも、それがGHCのタイトルマッチですね。それがノアの闘いですね」
――でも、あそこまでお互いにやりあえたのは、2人の意識下にお互いに対する、いろんな思いがあったからああなったんでしょうかね?
「自分と中嶋勝彦は、AXIZっていうユニットを組んでやっていましたけど、それで俺が裏切られて(苦笑)。そこからいろいろあってタイトルマッチになりましたけど、自分としては裏切られたことは腹が立ちましたし、すぐに見返してやろうと思いながら、あのタイトルマッチをやることで、お互い、2004年でデビュー年が一緒だし、中嶋勝彦だからやり合える。たぶん向こうも潮崎豪だからこそ、やり合える。そういう気持ちが試合をしていて感じることができましたね」
――お互いの思いをぶつけ合えたんですね。
「どれだけやっても倒れない。どれだけやってもぶつけ合える、というような感触というか」
――過去にお互いの師匠に当たる、小橋建太VS佐々木健介戦というのが、2005年7月18日に東京ドームでありましたけど、個人的な意見を言わせてもらうと、あの試合がどうにも好きになれなくて。
「(苦笑)」
――あ、潮崎さんは何も言わなくていいんです(笑)。でもあの試合と比べると、あくまで個人の感想ですけど、潮崎VS中嶋戦は、100万倍くらい好きな試合です。
「ありがとうございます(笑)」
――あくまで好みの問題なので、いいとか悪いではないと思うんですけど……、すみません。
「ああ、いえいえ」
――どこまでやるんだろうって思いました。
「でも、あの試合もあのタイミングだったからこそできた試合だと思いますし、だから全部そういうことがつながっていくなっていう。お互いにキャリアがほとんど同じだったという意地もありましたし、ユニットを組んで、それを裏切られたっていう思いもありましたし」
――さまざまな思いがあったんですね。
「あとは『N-1』というリーグ戦の覇者である中嶋勝彦に対しても負けたくないっていう気持ちがあったので。いろんな思いが積み重なった上でのあの試合になったんだと思いますね」