リアルジャパン12・6後楽園をプレイバック「あの頃のストロングスタイル」を目指して

仁王立ちの鈴木(左)に向かっていくLEONAだったが…(C)リアルジャパン
仁王立ちの鈴木(左)に向かっていくLEONAだったが…(C)リアルジャパン

「感触なし!」鈴木秀樹がLEONAに厳しく突き放す

 また、この日の“裏メイン”と言えたのが、第1試合で行われた鈴木秀樹(39)とLEONA(26)の初対戦だった。“飛龍2世” LEONAは左足甲の骨折による長期欠場から1年3カ月ぶりにカムバック。これが復帰第4戦目だ。相手の鈴木は故ビル・ロビンソンさんの遺志を受け継ぐキャッチ・アズ・キャッチ・キャンの使い手。LEONAも英国ランカシャーレスリングを取り入れているだけに、同じルーツを持つ者同士の一騎打ちという点も見どころのひとつだった。

 だが、鈴木はLEONAを完全に見下していた。「なにをやりたいのかがわからない」と方向性を疑問視していたのだ。キャリアや実績からしても、鈴木の勝利は堅いだろう。それでも“裏メイン”と言えるのは、勝ち負けを越えたところにこの試合の意義が見えてきそうだからである。果たして鈴木はなにを伝えるのか…。

 鈴木の仁王立ち、という風景は想像の範疇だった。向かっていくLEONAという図式も想定内。だが、予想以上に鈴木の攻めが厳しかった、そしてLEONAを評価しなかった。試合の大半を占めたのは、LEONAの左頬への一点集中エルボー連打だったが、顔を突き出して受けて立つ鈴木は一発だけで吹っ飛ばしてみせた。それでも向かっていくLEONAを鈴木が何度も吹っ飛ばす。途中で見せたドラゴンスクリューのタイミングこそ認めたものの、途中で心が折れたと解釈。すると鈴木はチキンウイングアームロックで一気に勝負を決めてしまった。試合中、LEONAは記憶と戦略プランが飛んでしまったという。

「本能で戦っていたと思うんですけど…。自分が思い描くファイトができなかった。自分の負け、それに尽きると思います」とは、大会後に聞いたLEONAの気持ちだ。

 バックステージでの鈴木は開口一番、「感触なし!」と言い放った。「相手をひるませる力もないしレスリングも形だけ。プロレスやめた方がいいと思いますよ、このままだったら。おそらく(今後も)このままでしょうけど。(再戦は?)いや、無理でしょう」

 ここまで突き放されたLEONAだが、試合後に発生したレオナコールに救いが見えた。これを生かすも殺すも今後次第。「あのときの鈴木秀樹戦がターニングポイントだった」。近い将来、そう言える日が来ることを願っている。

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