【ズバリ!近況】朝ドラ「ええにょぼ」榊原利彦テレビに出なくなった理由を初告白「半ばノイローゼに」

「苦痛で押しつぶされそうだった」と語った【写真:荒川祐史】
「苦痛で押しつぶされそうだった」と語った【写真:荒川祐史】

やりたいことを主張できずに半ばノイローゼに…

 そもそも劇団を始めたのは、活動ができなくなっていったから。僕はデビューしたときは大手のプロダクションに所属し、いろんなチャンスをいただきました。でも、僕自身が「こういうことをやりたい」という主張ができなくて、プロダクションがとってきてくれる仕事と僕のやりたいことが乖離していってしまったんです。大事にしてもらって、お仕事をたくさんいただけたのは、すごくありがたかったんですけどね。

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 僕はもっと地に足のついた役者でいたかった。食べ歩きの仕事もいただいたんですけど、当時は若くて経験も言葉もないから、うまく表現できない。苦痛で押しつぶされそうで、「このままじゃ中身のない役者になりそうだ」と半ばノイローゼになってしまったんです。今思えば、何をそんなに悩んでいたのか分かんないぐらいなんですけど、自分の中で言えない思いを溜めこんで、30歳のときに突然、プロダクションを辞めてしまった、っていう(笑)。結局、若かったからプライドが高かったんでしょうね。

プロダクションを辞めた後も「不安しかない」日々が続いた

 プロダクションを辞めた後は、勝手に知らない事務所に所属させられそうになるわ、あらぬウワサをたてられるわ……。いかに事務所が守ってくれていたかが、よく分かりました。ウィキペディアに「事務所と大ゲンカして辞めた」と書かれて、衣装合わせの日まで決まってた仕事をドタキャンされたことも。制作側が事務所に忖度してね。でも、僕はプロダクションとケンカしたわけじゃない。今は、忖度してドタキャンなんてされたら役者が告発するので、そんなことができる時代じゃなくなった。だから、独立する人が増えているんじゃないですか。

 プロダクションを辞めてからは自分で営業や映画のプロデューサーをやったり、Vシネマに出たりしてましたけど、取りっぱぐれることもけっこうあったんですよ。収入がどんどんなくなっていくから、腐るし、もう不安しかなかった。そうしたら、あるとき突然、ウチのが脚本を書き始めたんです。彼女は僕が「ええにょぼ」に出演していた25歳のときに結婚したんですけど、もともと友人の友人で、とくに舞台関係の人間というわけではなかったのに。だから、「書けるわけないだろ」ってケンカになったりして。

 ところが、夜、眠れないときに彼女が書いたものに目を通し、最初は「書き方も何もあったもんじゃないな」と思ったものが、「ここはこう変えたらいい」とかアドバイスして切ったり貼ったりするうちに形になって……。そうしてできたのが、劇団ザ・レッドフェイスの最初の活読劇「アクジョニツイテ」。有吉佐和子さんの小説「悪女について」が原作です。上演までにはさらに難関がいくつもあったんですけど、最終的には著作権協会の方に「『悪女について』を原作にしたこれまでの作品の中で一番面白かった!」と言ってもらえました。

次のページへ (3/4) 「ええにょぼ」抜てきはNHKから直々に連絡がきた
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