テラハで人生激変 水越愛華の今「自分は何者」悩みながらも“誰かの力に”

ビールの売り子で大活躍、ハマスタ年間総売り上げで1位も

 2015年夏、横浜スタジアムでビールサーバーを背負い汗だくになって階段を上り下りする売り子の姿を眺めていた。アサヒビールを売っていたひとりの少女の顔が、ありありと目に浮かぶ。そして今、その姿を目の前の水越に重ねる――。

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実は5年前から知っていることを告げると、彼女は当然ながら驚いた。
実は5年前から知っていることを告げると、彼女は当然ながら驚いた。

――売り子を始めたきっかけは何だったんですか?

「高校の同級生が売り子のアルバイトをしていて、その話を聞いて『楽しそうだな』と思って応募しました」

 高校2年生の夏、水越は売り子のアルバイトを始めた。これが彼女にとって大きな転機となる。15キロ以上もあるビールサーバーを背負って歩き回るのは重労働だ。でも、想像以上に楽しかった。

「もともと人としゃべるのが好きなので、ビールを売って、お客様としゃべっていたらあっという間に終わっちゃうという感覚ですね。それこそ最初は野球のルールも全く分からなかったんですけど、お客様と会話したくて調べていたらどんどんハマっていきました」

 売り子というアルバイトのみならず、彼女は“野球”自体にのめり込んでいく。友人に誘われ球場にもしばしば観戦に通うようになった。

 一方で、再開したバレエにも精を出した。

「自分の好きだった演目があって、ずっと憧れていて踊ることが目標だったんですけど、高校2年生の発表会でそれを踊ることができました。『海賊』のグラン・パ・ド・ドゥです」

目標がかない、バレエに対しては一つ区切りがついた。
目標がかない、バレエに対しては一つ区切りがついた。

「それで、なかなかバレエと売り子との両立が難しくて、どっちにしようって悩んだ結果、売り子を選びました」

 3年生までバレエは続けたが、3月から10月のプロ野球シーズン中は売り子一色の生活となった。厚木市の高校から最寄りが関内駅の横浜スタジアムまで、電車を乗り継いで1時間以上はかかる。それでも、彼女は“無遅刻無欠勤”で通い続けた。

「授業が終わった瞬間に売り子の友達と自転車で急いで駅まで向かって、走って電車に乗り込んで、ぎりぎりでちゃんと集合時間に間に合う、みたいな感じでしたね(笑)」

 売り子を始めて4シーズン目、大学2年生の時にプログラムで4か月間海外に留学したが、その期間を除けば、横浜スタジアムで開催されるホームゲームには全出勤した。

大学に進学することを決めたのも、売り子の先輩の影響だった。
大学に進学することを決めたのも、売り子の先輩の影響だった。

「やっぱり楽しいんですよ。本当に売り子が大好きで。それこそ、お客様に覚えてもらったときにうれしかったり、毎試合売り上げと名前が公開されるので、いい売り上げを出したときに達成感を感じられたり。夢中でやっていたら、年間の総売り上げで1位も取りました」

 売り子で数々の実績を上げた2019年、彼女の人生は劇的な転換を迎えた。売り子として活躍する一方、球場の外にも広く名が知れ渡ることになる。

 水越は、テラスハウスに入居した。

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