最強歌姫を目指して…STU48矢野帆夏、人生初の1位を懸けた“シンデレラストーリー”

第1回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦のファイナリストLIVEで歌唱するSTU48矢野帆夏【写真:(C)TBS】
第1回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦のファイナリストLIVEで歌唱するSTU48矢野帆夏【写真:(C)TBS】

AKB48グループ歌唱力No.1決定戦との“運命の出会い”をきっかけに初の16人選抜も経験

 矢野にとって運命の巡り合わせとなったのが、2018年11月の「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」の開催決定だ。人気でも運でもない、歌唱力だけで頂点を決める完全実力勝負の形式は、自分を試す願ってもない機会。「もうこんなチャンスないかもしれない」と、迷わず立候補を決めた。時を同じくして、矢野は心に秘めていた夢や目標を言葉にしていくようになる。

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「私、弱虫だから(苦笑)」

 それまでは、かなえられなかった時のことを考えてしまい、失敗への恐怖から先に公言するのを避けていた。ただ、「弱い自分を変えなきゃ」という決意と、大好きな歌へのこだわりが彼女の背中を押した。

「歌は、聞く人によって想像すること、伝わる思いが変わるところがすごいなって。意思表示とか言葉にするのが苦手だけど、歌っている時はすべてを歌に出せる。私にとって気持ちを伝える手段の一つなので、歌声以上に、歌に乗せた思いを届けたいというのがあります。歌唱力No.1決定戦に関しては、1位しか目指していないという気持ちがあって、周りの人にも本気で優勝を狙っているんだと思ってほしくて、言葉にしました。本当にやりたいこと・なりたいことは、口にしたらかなうと証明したい。そう思ったら練習にも力が入りました」

 総勢165名が参加したなかで予選を5位通過。2019年1月に開催された決勝大会でも「Goodbye Yesterday」(今井美樹)、「ブルーバード」(いきものがかり)を歌いこなして、最終的に7位入賞と実力を証明した。

「第1回の歌唱力No.1決定戦は、私の人生が変わった大会です。優勝はできませんでしたけど、立候補した瞬間から、予選・決勝大会まで歌と向き合った期間を含めて、自分が変われたと思うきっかけになりました。私の歌を聞いて、『元気が出た』『仕事を頑張れる』『すごく感動した』という言葉をたくさんいただいて自信がつきましたし、ファンの方たちのためにこれまで以上に頑張ろうと思いました」

 2019年秋に開催された「第2回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」は予選6位通過で決勝大会に駒を進めたが、本番前日にけがをしてしまい、無念の出場辞退となった。それでも、全員選抜のSTU48 3rdシングル「大好きな人」に続き、2020年1月発売の4thシングル「無謀な夢は覚めることがない」で16人体制では初の選抜入り。20歳の誕生日に掲げた「歌唱力を磨き、自分の声を形にする」という目標を見事に成し遂げた。

 2020年は新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止や延期となるなか、7月に「第3回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」の開催が決定。出場できる喜びをかみ締めるとともに、「このご時世だからこそ、自分の歌でみんなに元気になってほしい」といっそう気合いが入った。

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