ド迫力「初代ゴジラ」を目撃せよ…福島県「円谷英二ミュージアム」

今にも吠えようとするゴジラが、豪快に人々を出迎えるー。今年1月、福島県須賀川市にオープンした「円谷英二ミュージアム」が話題を集めている。同市出身で、「特撮の神様」と呼ばれる故・円谷英二監督の功績を紹介する施設。夢と想像力が膨らむ空間が広がり、訪れる人たちをひきつけている。

初代ゴジラスーツ
初代ゴジラスーツ

初代ゴジラスーツに、幻のシン・ゴジラの模型…宝箱のようなミュージアム

 かっと見開いた眼、鋭い牙をのぞかせる口……。高さ約2メートル、尻尾まで含めると約3メートルにも及ぶ。1954年に公開された映画「ゴジラ」のゴジラスーツを再現した「初代ゴジラスーツ」だ。目玉の展示品。黒光りする怪獣王を見て、泣き出してしまう子供もいるという。

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 ゴジラやウルトラマンの生みの親である円谷監督は、日本映画界初の「特技監督」として数々の名作を世に送り出した。飛行機の操縦士にあこがれた少年が、映画界に入って飛躍を遂げ、特撮に情熱を注いだ人生。館内では、円谷監督の人となりを貴重な資料やパネルで振り返ることができる。

円谷英二監督の功績を知ることができる
円谷英二監督の功績を知ることができる

怪獣や映画のテーマを通して「学び」を体感できる

 東宝と円谷プロダクションの協力を受け、特撮監督の尾上克郎氏が総合監修を務めた同館。それだけに展示品は、本格的で知的好奇心をくすぐられるものばかり。酒井ゆうじ氏が監修した初代ゴジラスーツだけでなく、「キングギドラ」や「メカゴジラ」といった怪獣など約50点の模型がそこかしこに並ぶ。CGで描かれた「シン・ゴジラ」(2016年)を精緻に造形した模型は、“お宝もの”だ。

 円谷監督は勉強や学習を大切にすることを説いていた。同館は「学び」に紐づける展示手法が特徴的だ。例えば、1971年に登場した「ヘドラ」。映画は当時の公害問題がテーマとされており、同館では環境学の関連図書などを併せて展開。ほかに「モスラ」や「メガロ」には昆虫図鑑を添えるなど、創意工夫にあふれている。また、円谷監督が多くの作品を生み出した東宝撮影所(現・東宝スタジオ)を再現したジオラマのコーナーも設置され、特撮の歴史を学ぶこともできる。

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