ホテル代高騰の時代に「365日いつでも5800円」の衝撃 九州発「HOTEL AZ」拡大の背景と安さの秘密

近年、ホテル業界では需要に応じて宿泊料金を変える「ダイナミックプライシング」(価格変動制)が広がり、都市部を中心にホテル代が高騰している。ビジネスホテルも例外ではなく、出張やライブ遠征の宿探しで頭を抱える人は少なくない。そんな中、365日いつでもシングル1泊一律5800円(税別)を掲げる九州発のホテルチェーン「HOTEL AZ(ホテルエーゼット)」が注目を集めている。朝食や駐車場も原則無料という充実ぶりで、宿泊の「インフラ」として支持が高まっている。同チェーンを運営する株式会社アメイズの企画販促課の担当者に、その安さの秘密を聞いた。

低価格と一律料金を武器に急拡大する「HOTEL AZ」【写真:株式会社アメイズ提供】
低価格と一律料金を武器に急拡大する「HOTEL AZ」【写真:株式会社アメイズ提供】

大型連休や年末年始もシングル1泊5800円の一律価格

 近年、ホテル業界では需要に応じて宿泊料金を変える「ダイナミックプライシング」(価格変動制)が広がり、都市部を中心にホテル代が高騰している。ビジネスホテルも例外ではなく、出張やライブ遠征の宿探しで頭を抱える人は少なくない。そんな中、365日いつでもシングル1泊一律5800円(税別)を掲げる九州発のホテルチェーン「HOTEL AZ(ホテルエーゼット)」が注目を集めている。朝食や駐車場も原則無料という充実ぶりで、宿泊の「インフラ」として支持が高まっている。同チェーンを運営する株式会社アメイズの企画販促課の担当者に、その安さの秘密を聞いた。

人気俳優の韓国からスタートした愛車遍歴…“顔”で決めるクルマ選び(JAF Mate Onlineへ)

「HOTEL AZ」は、九州を中心に中国・四国・東海などに展開するビジネスホテルチェーン。10月15日には岡山・備前市に新店がオープンし、全国94店舗となった。

 最大の特徴は、需要が集中する週末やゴールデンウイーク、年末年始などでも料金が変わらない「365日同一価格」。シングルは原則として税別5800円の一律価格で、時期による変動を心配せずに予約することができる。

 店舗づくりも独特だ。ビジネスホテルは駅前などにあるイメージが強いが、「HOTEL AZ」は基本的にロードサイド型となっており、郊外の幹線道路沿いを中心に展開している。広い敷地に駐車場を設け、普通車の駐車料金は原則無料。バイキング形式の朝食も無料で提供(一部店舗を除く)される。

 さらに全店舗にレストランが併設され、夕食も館内で取れる。旅に必要な日用品などを買える100円ショップ、洗剤が自動投入されるコインランドリーも一部店舗を除いて備わっており、食事やちょっとした買い物、洗濯までホテルの中で済ませられる。連泊や長期滞在の利用者にとっても、ありがたい仕組みだ。

 ホテルの価格変動が当たり前になった今、なぜ低価格と一律料金を貫いているのか。その理由について、運営会社の担当者はこのように話す。

「『旅を通じて社会に奉仕する』という思いのもと、年間を通して安心してお越しいただける価格設定を行っています。宿泊費を抑えることで、地域のグルメや観光、ビジネス、イベントなど『旅の本来の目的』に予算を使っていただきたいという狙いがございます」

 無料の朝食についても、単なる価格競争の一環ではない。

「1日の始まりにしっかりとお食事を取って、元気に出発していただきたいという思いからです。朝食バイキングで提供している『明太子』や『手作り豆腐』なども大変ご好評をいただいています」

365日同価格のワケとは【写真:株式会社アメイズ提供】
365日同価格のワケとは【写真:株式会社アメイズ提供】

運営会社が明かす低価格と一律料金の秘密 今後は関西、関東へ進出

 もちろん、低価格や一律料金を続けるためには企業努力が欠かせない。

「リーズナブルな価格を守るため、全店舗で建物の設計を統一し、建築コストを大幅に抑えています。また、原則として大規模な広告宣伝は行わず、利用されたお客様の口コミやSNSで魅力を広めていただいていることもコスト削減につながっています」

 さらに、全店舗に併設しているレストランも利便性だけでなく、低価格とサービスの質を維持するための効率的な運営につながっているという。

 利用者からは「計画が立てやすく本当に助かる」「ビジネス出張の予算内に収まる」といった感謝や称賛の声が集まっている。また、公式SNSを通して「朝食の明太子食べ放題がうれしい」「ロードサイドで見かけると我が家に帰ってきたような安心感がある」といった反応も寄せられている。

 ネット上では「全国展開してほしい」という声が絶えない。そうした声に応えるため、今後は九州以外でも出店を加速させる計画だ。担当者は「2028年に関西、30年に関東への進出を計画しています。30年度までに120店舗を目指し、長期目標は300店舗です」と話す。

 担当者は最後に、「身近で安心できる宿泊インフラとして、出店を期待してくださる地域の皆様のご期待に沿えるよう、全社一丸となって拡大を進めてまいります」と今後の抱負を語った。

次のページへ (2/2) 【写真】気になる「HOTEL AZ」の実際の写真
1 2
あなたの“気になる”を教えてください