「詐欺の面接落ちてて草」女性が特殊詐欺を回避 警察官を装う男、口座残高を聞いて態度急変

警察官をかたる特殊詐欺の被害が全国で相次いでいる。近年は手口が巧妙化しており、ターゲットになりやすい高齢者でなくとも油断はできない。そんな中、実際に特殊詐欺の標的にされ、意外な理由で金銭的な被害を免れた女性のSNS投稿が話題になっている。なぜ人はだまされるのか。そして、被害を免れた理由とは──。女性に詳しい話を聞いた。

「ニセ警察官」詐欺が増加している
「ニセ警察官」詐欺が増加している

警察官を名乗る男から突然の電話…ビデオ通話に誘導

 警察官をかたる特殊詐欺の被害が全国で相次いでいる。近年は手口が巧妙化しており、ターゲットになりやすい高齢者でなくとも油断はできない。そんな中、実際に特殊詐欺の標的にされ、意外な理由で金銭的な被害を免れた女性のSNS投稿が話題になっている。なぜ人はだまされるのか。そして、被害を免れた理由とは──。女性に詳しい話を聞いた。

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「前に特殊詐欺に遭いかけたことあってさ 警察から電話来て、詐欺に加担してる可能性ある言われてLINEのテレビ電話で事情聴取する言われて 『?』ってなりながらも30分根掘り葉掘り個人情報聞き出されて 最後の最後に『口座の残高を教えてください』言われてネットバンキング開いたら残高178円でさ…」

 19日、こうXに投稿したのは「ゆりり」(@yuriri693)さん。夫と5歳、4歳、7か月の3人の子どもと暮らし、三人麻雀専門店で勤務。来年1月からは三人麻雀競技団体「ザンリーグ」に選手として所属する予定だ。

 投稿によると、口座残高を伝えた途端、警察官の格好をした男のテンションが明らかに下がり、「明日の朝9時までに、こちらから電話がなければ容疑は晴れたと思ってください」と告げられて通話が終了したという。投稿は「詐欺の面接落ちてて草」とユーモアを交えて締めくくられている。

 これに対して、SNS上では「もし詐欺の電話あったらこう答えよう」「賢い対策だと思う」「被害がなくてよかったけど、オチが少し切ない笑」などと、さまざまな反応が集まった。

 投稿者によると、実際に電話があったのは2025年1月9日午前10時ごろ。相手は「愛知県警」の警察官を名乗る男だった。

 男は「あなたの口座が詐欺のマネーロンダリングに使用されていました」と話し、このままだと「逮捕になります」と告げてきた。

「警察官を名乗る相手からは、私の旧姓のフルネームと、初めて一人暮らしをしたときの住所も伝えられました。その当時、バーで財布を盗まれた経験があったので、それが悪用されたのかと思ってしまいました」

 愛知県警まで来るよう求められ、そこから巧みにLINEのビデオ通話に誘導された。

「育児もあるので愛知まで行くのは無理だと伝えると、『特別にこのまま電話で調書を取ることも可能です』と言われ、LINEに誘導されました」

 さすがに不審に思い、「警察がLINEですか?」「詐欺じゃないですか」と疑ったものの、男は動じなかった。

「相手からは『本来なら何も言わずに突然逮捕するが、今回は口座の使われ方に違和感があったので、先に事実確認をしている』と説明されました。それでもおかしいと伝えたのですが、『オンラインでの事情聴取が難しいなら愛知県警に直接来てほしい』と強く言われて……。結局、LINEのビデオ通話での“事情聴取”に応じてしまいました」

 ビデオ通話に出ると、取り調べ室のような場所に警察官の格好をした男が座っていた。「極秘捜査中なので、口外すると別の罪に問われる」と口止めされ、家族構成や住所、夫の仕事や収入などを詳しく聞かれた。

「残高138円」で詐欺師のテンション急降下

 そして最後に、使っている銀行口座の数と残高を尋ねられた。この時、投稿者が使っていた口座は一つだけだった。

「残高を把握していなかったので、ネットバンキングで確認したら138円でした。それを伝えた途端、明らかに相手のテンションが下がりました」

 投稿では178円としていたが、後に当時の記録を確認したところ、実際はさらに少ない138円だったという。

 残高を聞いた男はすぐに通話を切ろうとし、投稿者が「本当にやっていないのに逮捕される場合はどうすればいいのか」と尋ねても、「それも追って連絡します」とそっけない返答。そのまま通話は終了した。

 なぜ、それほど残高が少なかったのか。そこには意外な事情があった。

「以前、初めて競艇(ボートレース)をやったら最初の3レースが全部当たって10万円勝ったんです。それで簡単に当たると思って調子に乗り、3週間で80万円も負けてしまいました。銀行口座から直接お金を入れて舟券を買えるアプリを使っていて、熱くなるとどんどん賭けてしまうため、口座にお金を入れるのをやめていました」

 ボートレースで大負けした経験と自己防衛策が、思わぬ形で功を奏した格好だ。

 投稿者はかつて、特殊詐欺について「こんなのに引っかかる人なんているのか」と考えていたという。しかし、実際に標的になったことで、その認識は変わった。

「私が不用意だったことは重々承知ですが、相手もプロなので、かなり言葉がうまいです。心理コントロールや言い回しなども、感心させられるほど巧みでした」

 警視庁は特殊詐欺について、公式サイトで「警察官がSNSやビデオ通話で連絡を取ることはありません」と明言。警察官を名乗る人物から電話があった場合は「所属、担当部署、氏名、内線番号」を確認し、最寄りの警察署に連絡するよう注意喚起している。

 投稿者は自身の経験を踏まえて、「手口を知っていれば詐欺だと気付けると思いますが、新しい手口だと頭のいい人でも心理的に引っかかってしまう可能性は十分にあると思います。だから、人ごとだと思わず、本当に『明日は我が身』と思ってほしいです」と呼びかけた。

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