「変死体が見つかるとすぐ…」奥多摩町で緊急銃猟訓練、“風評被害”に町が懸念「より具体的な報道を」

クマの出没を想定した東京都の緊急銃猟訓練が19日、奥多摩町の旧古里中学校で実施された。実地訓練では、中学校敷地内のテニスコートの一角にツキノワグマが居座ったとの想定で、青梅警察署の警察官や地元猟友会のハンターらが町役場の担当者と連携。ぬいぐるみのクマに模擬銃を向け、駆除の流れを確認した。

模擬銃を構える地元猟友会のハンター【写真:ENCOUNT編集部】
模擬銃を構える地元猟友会のハンター【写真:ENCOUNT編集部】

先月28日、八王子市小津町で都内初となる緊急銃猟が実施

 クマの出没を想定した東京都の緊急銃猟訓練が19日、奥多摩町の旧古里中学校で実施された。実地訓練では、中学校敷地内のテニスコートの一角にツキノワグマが居座ったとの想定で、青梅警察署の警察官や地元猟友会のハンターらが町役場の担当者と連携。ぬいぐるみのクマに模擬銃を向け、駆除の流れを確認した。

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 東京都では先月28日、八王子市小津町で都内初となる緊急銃猟が行われた。ツキノワグマの目撃情報は八王子市の他、奥多摩町、あきる野市、青梅市、日の出町などでも相次いでおり、市街地にクマが出没した際の体制整備が急務となっている。

 この日訓練が行われた旧古里中学校では、廃校となった校舎を活用し宿泊施設やスポーツ施設を運営している。今回はその宿泊施設の敷地内でクマが出没したと想定し、机上訓練と実地訓練の2部構成で、町と警察、地元猟友会が関係各所への連絡や駆除対応などの連携を確認した。

 実地訓練では、施設敷地内のテニスコート一角に置かれたクマのぬいぐるみに対し、地元猟友会のハンター4人が模擬銃を構え、狙撃位置を確認。発砲音が鳴らない模擬銃のため「発砲」と発声し、その後警察官とともに倒れたクマのぬいぐるみに接近、棒でつついて絶命を確認した。

 訓練を指導した株式会社野生動物保護管理事務所の担当者は、「今回は後方にバックストップ(銃弾が止まる柔らかい障害物、主に土の斜面のこと)があるので、この位置から射撃できましたが、クマが数歩移動すればコンクリートの階段やプールの外壁があり、その条件では緊急銃猟は中止せざるを得ません」と実際の運用を説明。訓練を見守った周辺自治体の担当者からは「実際にクマが動かない状況はあるのか」「バックストップの確保が難しい」など、訓練の実効性に対し不安の声も上がった。

 この日も多数の報道陣が駆け付けるなど、クマ問題への報道が過熱する一方、懸念されるのが風評被害の影響だ。奥多摩町観光産業課の大串清文課長も訓練の冒頭、観光への影響を口にしつつ「奥多摩町は全域が国立公園に指定されており、当然クマも生息していますが、日常的に緊急銃猟が必要な状況では断じてありません。町全体でクマが出ているというような報道は控えていただきたい」と訴えた。

 中には目に余るものもあるといい、「変死体が見つかると、警察の捜査も待たずにすぐ、奥多摩駅の映像とともに『クマ被害か』という報道がなされ、その後の続報もない。可能性があるという意味では間違いではないのかもしれませんが、その後の調査で、滑落死の後に小動物が荒らしたものと分かっても、訂正されることはありません。これでは町全体が危険な印象を持たれてしまう。クマ鈴を持っていなかった、単独行動だったなど、より具体的な報道をお願いしたい」と大串課長。

 クマ問題について、正しく知り、正しく恐れる姿勢が求められている。

次のページへ (2/2) 【写真】盾を持った警察官の姿も…物々しい訓練の様子
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