65歳・堀江淳、『メモリーグラス』のお金事情 ネットの印税加わり「昔と変わらない」
昭和の名曲『メモリーグラス』で知られる歌手の堀江淳が、今年で芸能活動45周年を迎えた。そんな堀江だが、現在は新潟・佐渡島の魅力を全国に発信している。これまでコンサートで訪れた以外、深い縁のなかった島だったが「PRに協力して欲しい」という若者からの熱烈なオファーに心が動かされたという。今も絶え間なく曲を作り続ける65歳の現在に迫った。

10月に東京で45周年アニバーサリーライブを開催
昭和の名曲『メモリーグラス』で知られる歌手の堀江淳が、今年で芸能活動45周年を迎えた。そんな堀江だが、現在は新潟・佐渡島の魅力を全国に発信している。これまでコンサートで訪れた以外、深い縁のなかった島だったが「PRに協力して欲しい」という若者からの熱烈なオファーに心が動かされたという。今も絶え間なく曲を作り続ける65歳の現在に迫った。(取材・文=福嶋剛)
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堀江は今年から始まった佐渡の魅力を伝えるYouTube番組『佐渡ええっちゃTV!』のメインMCを担当している。東京・渋谷のスタジオで公開収録を行い、佐渡のグルメや観光スポット、文化、歴史などを出演者たちと楽しく紹介している。
「佐渡島の人口は現在、約4万9000人で、そのうち65歳以上が4割を超えて、高齢化と過疎化が深刻な問題となっているそうなんです。そこで佐渡の魅力を国内外に伝えて島を活性化させようと、若い世代の方たちがプロジェクトを立ち上げて頑張っているんですよ。僕は、30代の若いプロデューサーから『島民の多くが知っていて若い世代とも気さくにコミュニケーションが取れる堀江さんとぜひ一緒にプロジェクトを盛り上げたい』と話をいただいて、『僕なんかでよければぜひ』とお返事をさせていただきました」
YouTube番組のほかにも、クラウドファンディングや来年開催予定の音楽イベントなども一緒に企画しているという。2027年には佐渡島でアニソン・名曲盆踊り、コスプレイベント、健康歌謡コンサート等、島外の方と地元の方々も楽しめるイベントを計画している。
「プロデューサーから『島民も若者も全員が楽しめる盆踊りイベントをやりたいんです』っていう話をもらったんです。今は伝統的な盆踊り大会だけじゃなくて、DJイベントと融合した盆踊りやコスプレと連動したアニソン盆踊りだってあるじゃないですか。だから『面白そうだね』って言ったら、『メモリーグラス音頭を作っていただけませんか』って。最初は『メモリーグラスを音頭に?』って驚いたんだけど、そういう若い人たちの発想が面白いなと思ったのと、45年歌い続けている楽曲がこんな形で次の世代に伝えられると思ったら本当にうれしくてね。今はいろいろとアレンジのアイデアを出し合っているところです。完成したら、まずは佐渡の方々とイベントで盛り上がって、次は全国の皆さんに広げていきたいですね」
現在も充実した日々を送る堀江は、10月に66歳を迎える。「僕には2人の娘がいて、2人とも結婚しているんですけど、長女には3歳の孫がいてね、今度七五三なんだけどかわいくてね」と喜びをにじませた。
「孫は僕のことをノンノって呼んでくれるの。じいじとかじゃないんですよ。イタリア語でおじいちゃんの意味らしいんだけど。だから、妻はノンナって呼ばれていて、カッコいいでしょ(笑)。振り返ると、娘たちには小さい頃から『やりたいことをやりなさい』と言ってきたので、ほとんど怒ったこともないし、ケンカもないですね。一時期、娘がファッション誌のモデルをやっていた時も『うまくいけばいいね』って応援していましたから。というのも僕自身、北海道の苫小牧の進学校に通っていたのに大学には進学せず、親の反対を押し切ってシンガー・ソングライターを目指して札幌に行きましたから。最終的に理解を示してくれた親には本当に感謝していますし、そういう気持ちが根っこにあるので、若い人を見るとすごく応援したくなるんです」

音楽活動を反対していた父がデビュー曲を大音量で流した日
堀江のシンガー・ソングライターとしての原点は中学1年の誕生日に買ってもらったフォークギターから始まる。当時はフォークブームで、中学2年生の時に初めて自作の曲を作った。
「『あなたが好きだから』っていう曲です。そこから作詞作曲にハマっていくんです。でも誰に提供する訳でもないので自分で歌おうと。それで高校の時には『音楽で食っていく』と決めていたので卒業して札幌に出たその年に、ソニーのオーディションに合格して上京しました」
1stシングル『メモリーグラス』は、デビュー前の20歳の時に作った。完璧なヒットを狙い、3曲のメロディーを合体させ、歌詞は約1か月の間、悩みに悩んで書き上げた。歌いだしの「水割りを下さい」というフレーズは、当時アルバイトをしていた飲食店で耳に残っていた客の言葉が元となっている。昼間に都内の交差点で信号待ちをしている時に、歌詞とメロディーが同時に浮かんだというのは有名な話だ。
「1981年の4月にデビューしたんですけど、テレビに出始めたのは7月後半ぐらいでしたね。デビューしてすぐ苫小牧の実家にレコードとかカセットを送ったんですけど、そしたら、あんなに反対していた父親が自分の車にスピーカーをつけて、大音量で『メモリーグラス』を流しながら近所を回ってくれたんです(笑)。後からその話を聞いて本当にうれしかったですね」
『メモリーグラス』は、これまで多くの歌手にカバーされ、最近ではアイドルがカバーするなど、時代を超えて歌い継がれている。
「ありがたいことにカラオケでもたくさんの方に歌っていただいています。CDを買わない時代になりましたけど、今度はインスタグラムやTikTok、YouTubeで曲を使用していただき、若い世代にも届けられるようになりました。サブスクによって、世界でも聴いてくれる人が生まれる。とても面白い時代になりましたね」
印税について尋ねると、「詳しくは言えませんけど、インターネットの印税が入ってきた分、昔と変わらないかな」と舌を出した。今年は45周年ということもあり、10月に札幌と東京でアニバーサリーライブを開催する。
「僕は毎年バースデーライブを開催しているので、ファンの皆さんとは1年ぶりの再会なんですが、久しぶりの歌手仲間や関係者にも会えたりもするので楽しみですね。今年のアニバーサリーは、以前活動していたspoonという2人組ユニットも久しぶりに復活させたいと思っているので、よかったら10月16日に遊びにいらしてください。そして45周年なんでアルバムも出したいので絶賛制作中です。僕は作家としていろんな人に曲を書いているので、今も曲を書き続けることがライフワークになっているんです。作品が完成したら公式サイトで発表しますので、その時はぜひ僕の今の曲も聴いていただけるとうれしいです」
10月には66歳を迎える。まだまだ元気だが、少しずつ衰えも感じてきているという。
「声帯は年齢とともにどうしても衰えてくるんです。だけど僕にとって一番大切な『メモリーグラス』だけは最後まで歌えるように、日々コンディションを整えています。今こうやって活動できているのは、全て『メモリーグラス』があったからこそ。そして、人との出逢いなしではこの曲は生まれていなかったし、今も誰かの力を借りて、僕はここにいるんです。だから今まで自分に関わってくれた全ての人への感謝を忘れてはいけないと思っています。今回は佐渡島のPRというご縁をいただいたので、そこに関わっているみなさんの気持ちを大切にしながら一緒に楽しみたいですね」
□堀江淳(ほりえ・じゅん)1960年10月19日、北海道苫小牧市生まれ。79年にCBSソニーの第1回SDオーディションに合格し、81年に作詞・作曲を手掛けたシングル『メモリーグラス』でデビューすると大ヒットを記録し、日本有線大賞新人賞などを受賞。その後も中森明菜をはじめ多数のアーティストへ楽曲を提供。現在は年間100本以上のライブを行うほか、ラジオパーソナリティやボイストレーナーとしても幅広く活躍する。2026年、デビュー45周年を迎え、新潟・佐渡島をPRするYouTube番組『佐渡ええっちゃTV!』のメインMCを担当。10月16日に東京・BLUEMOODでデビュー45周年 Anniversary Tourを開催。
堀江淳公式HP:https://jun-horie.com/live.html
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