「収量はもう0です」田んぼに突然“大量の海水”、緑の稲が一面茶褐色に…補償も決まらず、農家が悲痛

「ヒノヒカリで約150万円前後の被害が考えられます」──。突然巻き込まれたトラブルで、育ててきた米が収穫できなくなってしまった。熊本県八代市で、水田に海水が流れ込む被害を受けた農家が悲痛な声を上げている。来季の栽培にも不安が残る。一体、現場で何があったのか。

海水流入から約1か月、変わり果てた稲【写真:本人提供】
海水流入から約1か月、変わり果てた稲【写真:本人提供】

地下水を3日間入れ続けても…稲は徐々に茶色く

「ヒノヒカリで約150万円前後の被害が考えられます」──。突然巻き込まれたトラブルで、育ててきた米が収穫できなくなってしまった。熊本県八代市で、水田に海水が流れ込む被害を受けた農家が悲痛な声を上げている。来季の栽培にも不安が残る。一体、現場で何があったのか。

元坂道メンバーの熱烈なクルマ愛「最初の一台は国産車」…現在の愛車を告白(JAF Mate Onlineへ)

「収量はもう0です。おそらくコンバインで収穫したとしても、クズ米が取れるだけで終わってしまうと思います」

 こう話すのは、八代市鏡町で米や野菜、国産バナナなどを栽培する高木貴良さん。Xでは「たかきのバナナ」(@Takaki_BANANANA)の名前で発信している。

 被害が起きたのは8月29日。高木さんは、横江大橋付近の水門工事中にトラブルがあり、周辺の水田に海水が流れ込んだと話す。水門がきちんと閉まっているか確認されていなかったと人づてに聞いたという。

 被害を受けたのは、高木さんが育てる約150アールのヒノヒカリと、管理を任されている約120アールのヒヨクモチだった。

 現地で米を栽培する知人からの連絡で異変を知った高木さんは、Xで「緊急事態じゃ!」と報告。当時の田んぼの状況を「塩っぱい…」と伝えた。その夜には排水し、翌日からはポンプで地下水を約3日間入れ続けた。

 当初の様子について、高木さんは「最初の1週間は大丈夫そうに見えた」と振り返る。

 しかし、10月1日には「最終形態になったかもしれん!!!」と書き込み、水田の比較写真を公開した。海水が流れ込んだ翌日の8月30日には緑色だった稲が、約1か月後には一面茶褐色に変わっていた。

 当初の被害報告には、農家への同情や補償を案じる声が寄せられたが、高木さんによると「人災は保険の対象外」だという。田んぼに残った稲をどうするかも、まだ決まっていない。

海水流入の翌日の写真。稲はまだ緑色だった【写真:本人提供】
海水流入の翌日の写真。稲はまだ緑色だった【写真:本人提供】

補償内容はいまだ決まらず 来季の栽培にも不安

 収穫物の被害額を尋ねると、「金額にするとヒノヒカリで約150万円前後の被害が考えられます」と答えた。来季の栽培に向けた土壌改善も課題として残る。

 土や稲に残った塩分で農機がさびたり故障したりするのではないかと、田んぼに機械を入れることにも不安を感じている。

 高木さんは、収穫物の損失や土壌改善などは、工事を請け負った会社が補償する話になっていると説明する。

 ただし、「補償などについては1か月過ぎても、本当に何も決まっていないのが現状です。早く今後のスケジュールなどを知りたいです」。変わり果てた田んぼの再生を祈るように願った。

次のページへ (2/2) 【写真】田んぼに突然海水が流入、実際の写真
1 2
あなたの“気になる”を教えてください