都内初の緊急銃猟にクレーム40件 「わなにかかったクマまでなぜ?」 八王子市が明かす舞台裏

東京・八王子市で28日、わなにかかったツキノワグマ1頭に都内初となる緊急銃猟が行われた。緊急銃猟は「猟銃以外の方法では的確かつ迅速に危険鳥獣の捕獲をすることが困難」であることが実施の条件とされる。すでにわなにかかったクマに“最後の手段”を用いる必要性があったのか、一部では疑問の声も上がっているが、他に方法はなかったのだろうか。八王子市に詳しい状況を聞いた。

八王子市役所に設置された等身大のクマパネル【写真:ENCOUNT編集部】
八王子市役所に設置された等身大のクマパネル【写真:ENCOUNT編集部】

28日午後、わなにかかったツキノワグマ1頭に都内初となる緊急銃猟を実施

 東京・八王子市で28日、わなにかかったツキノワグマ1頭に都内初となる緊急銃猟が行われた。緊急銃猟は「猟銃以外の方法では的確かつ迅速に危険鳥獣の捕獲をすることが困難」であることが実施の条件とされる。すでにわなにかかったクマに“最後の手段”を用いる必要性があったのか、一部では疑問の声も上がっているが、他に方法はなかったのだろうか。八王子市に詳しい状況を聞いた。

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 八王子市によると、ツキノワグマの緊急銃猟は28日午後5時29分、同市小津町の「向橋」から北西150メートルの農地で実施。午後3時30分頃、高尾警察署から同所にてツキノワグマの錯誤捕獲があったとの情報提供を受け、午後5時13分には市長が緊急銃猟を承認、わなにかかっていた体長147センチ、体重65キロのメスのツキノワグマ1頭を駆除した。

 緊急銃猟は実施の条件として、「人の日常生活圏への侵入」「人への危害を防止する措置が緊急に必要」「銃猟以外の方法では困難」「銃猟によって人の生命身体に危害が及ぶおそれがない」ことが求められる。ネット上では「わなにかかったクマまで緊急で駆除する必要あった?」「麻酔銃とかで何とかならなかったのか」など、疑問の声も上がっている。

 現場を指揮した八王子市獣害対策担当課の担当者は、ENCOUNTの取材に「わなといっても箱わなではなく、イノシシやシカなどを捕獲するためのくくりわなに足がかかり、激しく暴れている状態でした。当然、クマ用ではないので壊れたり、自ら足を切断して逃げる可能性もあった。周辺には民家もあり、日没が過ぎると夜間銃猟ができる資格者もいない。時間的な制約もあるなかでの対応でした」と状況を説明する。

「半径200メートル以内に10軒ほどの民家が点在する住居集合地域であることから、麻酔銃の使用もできない。緊急銃猟の枠組みの中で麻酔銃を使用する選択肢はありましたが、麻酔が効くまで激しく暴れることから、わなが外れてしまう可能性も考慮し、より安全な方法を選択しました」

 28日の報道発表後、市には緊急銃猟への苦情や抗議の意見が40件ほど寄せられているという。

「件数自体はそこまで多くはないですが、一人ひとり熱量のある方が多くて……。電話口で30分以上話される方もいる。今日は一日中電話が鳴りっぱなしの状況です」

 今回の緊急銃猟について、八王子市の初宿(しやけ)和夫市長は「人の日常生活圏において、捕獲されたツキノワグマによる人的被害を未然防止するため」と説明。あらためてクマ生息地域での活動について、クマ鈴など音を鳴らすものの携帯、早朝や夕方、日没後など薄暗い時間帯の入山等を控える、食べ残しやゴミを放置しないといった対策を呼びかけている。

次のページへ (2/2) 【写真】八王子市独自のツキノワグマ対応マニュアル
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