『クロ現』星麻琴アナ、大切にする先輩・桑子真帆アナのアドバイス TVで見せない意外な素顔も
NHKの星麻琴アナウンサーが、7月から桑子真帆アナウンサーからバトンを受け『クローズアップ現代』(月~水曜午後7時30分)のキャスターを務めている。これまで、さまざまなニュースを伝える『ニュースウオッチ9』のメインキャスターとして活躍してきたが、今は一つのテーマを掘り下げる報道番組の顔。どんな思いで臨んでいるのか。前任者の桑子アナからの伝言や受け継ぎたいこと、目指す姿も聞いた。

番組担当に驚きとうれしい気持ち「等身大の自分でやるしかない」
NHKの星麻琴アナウンサーが、7月から桑子真帆アナウンサーからバトンを受け『クローズアップ現代』(月~水曜午後7時30分)のキャスターを務めている。これまで、さまざまなニュースを伝える『ニュースウオッチ9』のメインキャスターとして活躍してきたが、今は一つのテーマを掘り下げる報道番組の顔。どんな思いで臨んでいるのか。前任者の桑子アナからの伝言や受け継ぎたいこと、目指す姿も聞いた。(取材・文=中野由喜)
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まずは『クローズアップ現代』を担当すると聞いた際の感想を尋ねた。
「本当にびっくりしました。NHKの場合、出演番組の交代は4月に行われることが多く、全く想像していませんでしたので、『え!』という驚きとうれしい気持ち。それと同時に『大丈夫かな』という不安も少しありました。うれしいと感じたのは、以前から、一つのテーマをじっくり掘り下げて、視聴者に伝えることにチャレンジしてみたかったから。不安だったのは、準備期間がほとんどなかったからです。もう等身大の自分でやるしかないと思いました(笑)」
「うれしい」の意味をもう少し詳しく聞いてみた。
「以前から、『ニュースウオッチ9』と『クローズアップ現代』を担当してみたいと思っていました。5年間にわたって『ニュースウオッチ9』を経験したこのタイミングでできることがありがたいと感じます。ニュース番組は即時性が最大の武器ですが、その日に扱わなければならないテーマが多く、一つのテーマに費やす時間がどうしても限られてしまいます。一つのテーマでもいろいろな見方があります。『クロ現』はワンテーマを27分間で深く掘り下げていく番組。ニュースでは伝えきれない部分を多角的に視聴者の皆さんに届けることができるのではないかと思いました」
前任者の桑子アナの魅力をどう感じて見ていたのか、気になるところだ。
「桑子さんが『ニュースウオッチ9』のキャスターをしていた時、私はレポーターとして近くにいましたので、気にかけてもらっていました。桑子さんの魅力は、自分にも人にも正直なところ。分かったふりをしないところなどを見習いたいと思います。もちろん、全く同じようにはできませんが、『正直さ』をまねしつつも、私なりにできることをやりたいと思います」
桑子アナから何かアドバイスをもらったのか。
「ゲストの方とは決まった構成にとらわれ過ぎずに生で会話をするといいよ、と言われました。時間通りにきれいにおさめたくなるのがアナウンサー心理。そうではなく、ゲストの専門家などが発した言葉を自分で納得したうえで展開していくことが大事、という意味だと受け止めています。もう一つは引き継ぎの際、『クロ現』の打ち合わせに桑子さんと一緒に参加したときに感じたチームの一体感も大切にしたいです」

キャスター就任から1か月「全部難しい」
星アナが番組で意識していること、心がけていることも尋ねた。
「東京に赴任してから担当した番組が『ニュースウオッチ9』と『日曜討論』なんです。『ニュースウオッチ9』はその日のニュースを深く、タイムリーに読み解き、『日曜討論』は旬のテーマを討論やインタビューでより分かりやすく伝える番組です。目指すのは、その2番組のハイブリッドの形。試行錯誤しながら、次の『クロ現』の形を目指していけたらと考えています。一つのテーマについて、世の中にはいろいろな考えを持っている方がいますが、討論のように、そうしたいろいろな意見がある背景も伝えていきたいですし、ニュースの持つスピード感みたいなものも大切にやっていきたいと思っています」
取材したのはキャスター就任から約1か月後。難しいと感じていることはあるだろうか。
「全部難しいです(笑)。まだ1か月ですので。『日曜討論』ではゲストの方と話しますが、現場の映像やルポを紹介したくてもかなわないこともありました。『クロ現』では、取材チームが撮ってくる映像と情報があります。そういう部分は大事にしたいと思います」
『ニュースウオッチ9』のレポーター時代の3年間は現場取材にあたり、リュックに1日分の着替えや雨具も入れて活動していた。『クロ現』で取材現場に出向きたいという意欲はどうだろう。
「私が現場に行くことで、引き出せる映像や情報、そしてリアルな声があるなら、ぜひ現場に行きたいです。ただ私たちはチームとして動いていますから、チームワークが大切。いろいろな意見や背景について、バランスの取れた正確な情報を視聴者の方に伝えることが私の役目だと思っています」
純粋なニュース番組と比べ『クロ現』はキャスターの熱い思いや人間味も感じやすく、視聴者との距離が近い気がする。自分らしさがどう伝わればいいと思っているのだろう。
「一つひとつ丁寧に背伸びせずにやっていくしかないと思っています。それこそ最初にテーマが決まった時のフレッシュな感想といいますか、こういうことを取り上げるんだ、という気持ちを放送日まで持ち続けたいと思っています。その上で、放送日を迎えるまでにしっかり準備する。その中で自分の形が見えてくるかもしれません」
テレビ画面を通じて見る姿はとても真面目な印象。本来どんなタイプの人なのか気になる。
「真面目ですごく硬いと言われます(笑)。曲がったことが嫌いです。あとは、とても涙もろいです。『ニュースウオッチ9』時代、大変な思いをしている方の映像を試写で見ると、すぐに泣いていました。映画の悲しいシーンでは多分、私が映画館で最初に泣き始めると思います。でも番組ではそうした姿は決して出さないようにしています」
頑張って涙をこらえる姿に優しい性格がうかがわれる。最後に目指す理想の『クロ現』キャスター像を聞いた。
「ただ伝えて終わりではなく、見てくださる方が考えるきっかけになるような番組をお届けしたいと思っています。ただ、そのベクトルは良い方向にも悪い方向にも向く可能性があるので、番組を作るというのは、怖いことだという自覚は常に持っています。見てくださった方の心に強く訴える・心を動かす報道番組をつくっていきたいです」
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