夏恒例の円朝忌で林家正蔵、円朝作品を得意とした蜃気楼龍玉師匠をしのぶ

近代落語の祖として落語界に大きな功績を残した三遊亭円朝を弔う円朝忌が11日、東京・谷中全生庵で営まれ、演芸人約100人、落語ファン約50人が偉大なる先人をしのんだ。今回、円朝以上に注目を集めたのは、今年6月11日に53歳で急逝した落語家・蜃気楼龍玉師匠だった。

法要を締めくくるあいさつに立った林家正蔵【写真:ENCOUNT編集部】
法要を締めくくるあいさつに立った林家正蔵【写真:ENCOUNT編集部】

奉納落語は龍玉師匠の同期柳家小せん「あくび指南」円朝&龍玉へのレクイエム落語

 近代落語の祖として落語界に大きな功績を残した三遊亭円朝を弔う円朝忌が11日、東京・谷中全生庵で営まれ、演芸人約100人、落語ファン約50人が偉大なる先人をしのんだ。今回、円朝以上に注目を集めたのは、今年6月11日に53歳で急逝した落語家・蜃気楼龍玉師匠だった。(取材・文=渡邉寧久)

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 11日は円朝の命日で、全生庵は菩提寺である。

 円朝は幕末から明治にかけ活躍した落語家。現在、東京・歌舞伎座の第一部では「通し狂言 怪談牡丹燈篭」が上演されているが、円朝作品である。他にも「死神」や「文七元結」などの落語を数多く残し、歌舞伎の人気演目になっている名作も多い。

 怪談噺を得意として龍玉師匠は、円朝作品を数多く高座にかけていた若手だった。

 円朝忌では法要の後、奉納落語として落語家が一席しゃべるのが常で、今年そのお役を担ったのは柳家小せん(52)。うかがった噺は「あくび指南」だった。

 奉納落語会の案内役としてマイクを握った古今亭菊之丞(53)は、「6月11日に、龍玉という男が亡くなりました。同い年で53歳でした。多くの円朝作品を手掛けた男です」と切り出し「(入門)同期である小せん師匠が『あくび指南』を奉納します」と紹介し、円朝と龍玉師匠双方へのレクイエム落語であることを伝えた。

 法要を締めくくるあいさつに立った落語協会会長の林家正蔵(63)も「龍玉さんが亡くなりました。円朝ものは龍玉さんが素晴らしい、そんな話を耳にしていました」としみじみとした口調で振り返り、円朝作品「大仏餅」を寄席の袖(舞台袖)で聞いたことを明かす。

「自分の芸を捕まえたな、いい噺だな『大仏餅』、それが今年の2月でした。訃報を北海道で聞いた時、胸が締め付けられました。これからというのに、何てもったいないんだろう、何でなんだろうという思いがしました」とあらためて夭折者を悔やんだ。

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