出会って30年…リリー・フランキー×長谷川京子が語る「大人の恋」の境地「今はもう照れもなくなってきた」

俳優のリリー・フランキーと斎藤工がダブル主演を務めるドラマ『ペンション・恋は桃色season4』(全5話)がFODで全話配信中だ。2020年のシーズン1から主人公の1人・シロウを演じるリリー、そして新キャストとして今作に出演する長谷川京子を直撃。20年超の付き合いだという2人ならではの掛け合いから、お互いへの信頼がうかがえた。

インタビューに応じたリリー・フランキー(左)と長谷川京子【写真:増田美咲】
インタビューに応じたリリー・フランキー(左)と長谷川京子【写真:増田美咲】

長谷川が演じた独身モデル・カコは「黒歴史の回収に来た女性」

 俳優のリリー・フランキーと斎藤工がダブル主演を務めるドラマ『ペンション・恋は桃色season4』(全5話)がFODで全話配信中だ。2020年のシーズン1から主人公の1人・シロウを演じるリリー、そして新キャストとして今作に出演する長谷川京子を直撃。20年超の付き合いだという2人ならではの掛け合いから、お互いへの信頼がうかがえた。(取材・文=小田智史)


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 2020年から始まった『ペンション・恋は桃色』は、ちょっと古いペンション『恋は桃色』に集まった、“訳あり”な人々が織り成すハートフル・コメディードラマ。リリーがペンションを営む適当な父・シロウ、伊藤沙莉がシロウの娘・ハル、斎藤がペンションでアルバイトする青年・ヨシオを演じている。

 リリー、斎藤、伊藤、細野晴臣といった豪華キャストが出演し、伊藤がギャラクシー賞を受賞したことでも話題を呼んだ同作もシーズン4に突入。ペンションの老朽化で修繕するまで営業を停止して出ていかないといけなくなった3人は、シロウとハルが別の宿で住み込みで働き、ヨシオは里帰りと別々の行動に……。そこに長谷川演じる、ヨシオの中学時代の元恋人・カコが現れる。

――長谷川さんは今回、ヨシオと再会する独身女性のモデル・カコを演じました。カコのキャラクターで、自分と似ているところ、逆に全然違うなと思った部分はありますか。

長谷川京子(以下、長谷川)「全然違いますね。カコは黒歴史の回収に来た女性。自分の中で今まで“勝ち”の人生だったのに、果たせなかったことがヨシオ(斎藤)との間にあって、それが彼女の中ではもう黒歴史で、その回収に行くんですが、私はそういう経験がないので、そこの理解は難しいなと思いました」

リリー・フランキー(以下、リリー)「あの理解、難しいでしょうね。俺も、台本の段階で『ここの部分、くどすぎるよ』って何度も言いましたもん(笑)。(清水康彦)監督がたぶん、元カノにこだわりめちゃくちゃあるんですよね」

長谷川「今回、“はっきりしない押し”でしたもんね」

リリー「俺らは毎回、監督の思い残し症候群にずっと付き合わされてる(笑)」

長谷川「ヨシオはこれまでハッキリしてこなかったですけど、ハッキリした方が良いですね」

リリー「でも、どんどん、ヨシオとハルが結婚するとかない雰囲気になってきましたよね(笑)」

――リリーさんと長谷川さんは30年前に出会い、20年以上の付き合いだそうですね。お互いの“見てみたい役”はありますか?

長谷川「リリーさんはこんなに色気があるのに、色恋話の中心に入られることがないのが不思議なんですよね」

リリー「ほぼないですね。もしかしたら1回もないかもしれない」

長谷川「実際にリリーさんが恋をしたらどういう風になるんだろうという興味があるし、それを映像で見たいですね」

リリー「僕も京子ちゃんと大人の恋に落ちる話をニューヨークでやりたい(笑)」

長谷川「どういう恋の落ち方が面白いんでしょうね。テレビドラマみたいな感じですか?」

リリー「俺、恋愛ドラマとか映画をほぼ見ていないんですよ」

長谷川「すごい深みに入るよりは、ちょっとポップな感じの恋愛がいいかも。大人同士だから、進むことと進まないことみたいなのが上手く描けると面白いですね」

リリー「昔はまだ、いろんな人と恋愛している役も来ていたけど、照れ臭かったりで大体お断りしていました。今はもう、そういう照れもなくなってきたかな(笑)」

父・シロウを演じるリリー【写真:増田美咲】
父・シロウを演じるリリー【写真:増田美咲】

60代突入で「大体捨てていいものばかりになる(笑)」

――年齢を重ねるとやりたい役もやはり変わってくるものですか。

長谷川「私は逆に、色恋系が恥ずかしくなってきました。若い時の方が当たり前のようにできました。今の方が恥ずかしいかもしれません」

リリー「今の俺に色恋系が来ても、絶対にトリッキーなやつじゃない(笑)。だから、トリッキーじゃなくて、本当に真剣で真っ直ぐな色恋系だったら照れくさいかもしれない」

長谷川「でも、リリーさんのそういうの見たいなあ。恋愛小説家みたいな(笑)」

リリー「いや、でも周りの先輩たちがどんどん、老いらくの恋というか、最後の1回の恋になっていくんですよ。そうなってくると、もう純愛に近いじゃないですか」

長谷川「うんうん」

リリー「先輩たちが目指している老いらくの恋は、性愛じゃない。あれがいつ来るのかなと思って、期待しているんですけどね。もう周りのものを全部捨ててもその人に行くみたいな」

長谷川「きっと40代、50代の男性だったら、キャリアとか、仕事のポジションとか、捨てられないものもたくさんありますもんね」

リリー「もう60(代)なんでね、大体捨てていいものばかりになりますから(笑)。前に大切だったものがさほど大切じゃなくなってくるんでしょうね。そしてその恋だけに突き進むみたいな感じですかね」

中学時代の元恋人・カコを演じる長谷川【写真:増田美咲】
中学時代の元恋人・カコを演じる長谷川【写真:増田美咲】

長谷川…新たな写真集挑戦は「もうやだ(笑)」

――長谷川さんが2019年に写真集『Just as a flower』をリリースした際、リリーさんが帯コメントを書いているくらいの厚い信頼関係ですよね。

リリー「写真集の帯を書けば、もう親も同然ですから(笑)。あの写真集も結構前になるね」

長谷川「もう7年前ですか」

リリー「本当にお変わりないですね。また出しなさいよ」

長谷川「やだー。もうやだ(笑)」

リリー「なんで嫌なの?」

長谷川「もう恥ずかしいですね(苦笑)」

リリー「いやいや。逆に、50(歳)手前の人の色気というのがたぶん出てきていますから」

長谷川「うーん。物理的に露出をするというのはもうね。そこらへんは私も常識があるというか(笑)」

リリー「いや、もう衒い(てらい)もなくやった方がいいよ(笑)」

長谷川「リリーさんがおっしゃるように、行き切った方がいいのかなと思う時はあります。でも、どこかで自分の中で常識が働いてしまうんです(笑)」

リリー「京子ちゃんが意識していなくても、すでに美の探究者としての“長谷川京子アイコン”という一つのものがあるから大丈夫だよ!」

□リリー・フランキー 1963年11月4日、福岡県出身。武蔵野美術大卒業後、イラストレーター、文筆家、絵本作家、フォトグラファー、俳優、作詞・作曲家など幅広く活動。2006年に『東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン―』が本屋大賞を受賞、08年に映画初主演を務めた『ぐるりのこと。』での演技を高く評価され、第51回ブルーリボン賞新人賞を受賞。また、2013年の『凶悪』『そして父になる』では、第37回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞と優秀助演男優賞など多数の映画賞を受賞した。

□長谷川京子(はせがわ・きょうこ)1978年7月22日、千葉県出身。ファッションモデルとしてデビューし、「CanCan」の専属モデルとして活躍後、2000年に俳優デビュー。ドラマ『Mの悲劇』、『ドラゴン桜』、『おいしいプロポーズ』、『華麗なる一族』、『ミストレス~女たちの秘密~』など出演作多数。20年にはYouTubeチャンネルを開設し、料理やファッション、美の秘訣など、飾らない日常を発信している。21年5月にランジェリーブランド「ESS by」をローンチ。プライベートでは2児の母でもある。

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